「ラストナイト・イン・ソーホー」感想

ラストナイト・イン・ソーホー、観た。オンライン試写にて。ひとり暮らしの女の子が60年代ロンドンの夢を見るようになる。しかしそれが徐々に悪夢になって…。いやぁ、メチャクチャ面白かった。ロンドンという街が持つ妖しげな色気とアニャ・テイラー＝ジョイの儚さ！街は人々の悲しみを記憶している。

エドガー・ライトって「ベイビー・ドライバー」や「ワールズ・エンド」のイメージだったから、こういう映画も撮れるんだなあという驚きがあった。いかにも田舎娘なトーマシン・マッケンジー（かなり訛ってる？）が良い。アニャ・テイラー＝ジョイは、圧倒的な美貌とは裏腹に内面がとても純粋で、脆い。

ロンドンを魅力的に撮っている。もうひとりの主人公と言ってもいい。シャーロック・ホームズをそのまま現代劇に移し替えても成立してしまう、多層的な重みをもつ歴史の街。映画では、1960年代と2020年代のふたつの顔が見られる。美しい景観の裏に、人びとの悲しみや苦しい歴史が蓄積されている。

公開前なので詳細は控えるが、この映画で描かれるテーマと着地点はとても好きだった、という感想は書き残しておきたい。いくつか関連する映画を参照することもできるだろう。もう一回映画館で観てもいいかな、と思うぐらいには気に入った。