映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「地獄が呼んでいる」感想

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「地獄が呼んでいる」全六話、観た。ちょっと終盤失速したかな〜。理不尽な暴力を人びとが「神の力」と解釈し、世界が混沌としていく。その手触りは「DEATH NOTE」に近い。前半と後半の構成の分け方も「L編」と「ニア・メロ編」のようだった。個人的には「イカゲーム」の方が好みかもしれない。

多くの人が言うように、特に前半の胸糞展開がすごい。第二話のクライマックスにはドン引きしながらも引き込まれた。ある意味、この残酷ショーを楽しむ感性は、劇中の市井の人びとと共有していると言える。「神の使いの襲来」というスケールのわりに登場人物が少なくて、なんとなく内輪感が拭えない。

視点を固定することで全六話の中にドラマを詰め込んだ、と言うこともできるけど、これだけ大変なことが起きれば、もっと政治や経済へのインパクトもあるはずだし、さまざまな人間の思惑が絡むと思うんですね。基本的に刑事と弁護士と教団の中で話が進むから、ほかの人は何してるの?ってなる。

基本的に世の中の出来事はすべて偶然の積み重ねなので、必然性なんてものは存在しないのだけど、それだと我々が生きる意味も、幸せも不幸もぜんぶ無意味になってしまう。だから理由づけが必要なんですね。「試演」は「天罰」とか「運命」と説明して、「向こう側」に線引きしないと、社会が崩壊する。