「フラ・フラダンス」感想
フラ・フラダンス、観た。震災から十年後のハワイアンズを舞台に、フラガールを目指す新人たちの奮闘を描く。フラのゆったりした動きと、南国の穏やかな音楽と、震災の苦しい記憶。一人ひとりの情熱のリレーが、笑顔あふれるステージに結実していく。なんとも爽やかな肌ざわりの映画。予想外の良作!
なかなか欲張りな構成。1クールのアニメで見られたら…とも思う。「宇宙よりも遠い場所」「SHIROBAKO」と同じツボを押される映画(余談だが「SHIROBAKO」の木下監督は本作の水島精二監督がモデルだ)だと思う。まっすぐに、スレずにがんばる人を見るだけで泣けるちょろい涙腺になってしまって。
俺が好きなのは同期で集まって、だれが号令をかけるでもなく丘の上でフラを踊りはじめる場面。プロダンサーの卵として、ステージに立つプレッシャーと戦ってきた彼女たちが、自然に踊りを「たのしむ」のだ。チームとして一体になった瞬間でもある。なんて幸せな時間だろうと思った。
あとエンドロールでまた泣いてしまいました。この物語がどこか現実と地続きなのではないかと思わせる。あと主題歌「サンフラワー」をはじめ、音楽がとても良かったと思う。波瑠主演の「オズランド」が好きなので、この手のローカル感あふれる映画はツボだ。定期的にこういう作品を観て浄化されたい。