「鹿の王 ユナと約束の旅」

鹿の王 ユナと約束の旅、観た。う〜ん、物語が直線的だし、あんまりキャラに入れ込めないし…で、途中からウトウトしてしまった。ビジュアルも想像の範囲を超えない。「玉眼訪来」も、そんなもんかなと。動物の描写などディテールへのこだわりは感じるが、この作品ならではのセンスを楽しみたかった。

この手のファンタジー映画は巷に溢れているので、どうしても「鹿の王」独特の世界観、安藤監督の作り出す新しい景色…というものに期待したくなるのだが、残念ながら、アッと思わせるようなビジュアルはなかった。山犬たちの聖地も凡庸である（トム・ムーア監督「ウルフウォーカー」の方がいい。）

ヴァンが鉱山から逃げ出す冒頭のシーケンスもイマイチ盛り上がらない。ハシゴを登る場面も、引きの絵がちょっと間抜けだった。全体的にそういう引っ掛かりが多く、たとえばクライマックスの「玉眼訪来」のシーンも、ヴァンがあっち行ったりこっち行ったりの動線がわかりにくいし、まどろっこしい。

キャラデザも全員モブっぽくて主人公らしさがない。ユナの前歯が欠けているぐらいか。劇伴は薄味。野木亜紀子なのに脚本ひどいな〜と思ってたんだけど、湯浅正明監督「犬王」と勘違いしてた。ついさっきまで。どうせなら医師ホッサル目線でも良かったのでは。誰に寄せて見ればいいのかわからなかった。