「オーディブル: 鼓動を響かせて」感想
オーディブル: 鼓動を響かせて、観た。オスカー短編ドキュメンタリー賞候補。ろう学校の強豪アメフト部の青春を追う。非常に静かだが熱く滾る映画だ。学校の外の世界に出たとしても自分は乗り越えていけると言い切る力強さ。「コーダ あいのうた」に続き手話の面白さにも触れる。短いのでおすすめ。
ろう学校というだけで甘く見られる。自分たちは見くびられるような存在ではないと証明したい。そう熱く語る部員たち。息子の聴覚障害を知り、一度は家族の元を離れるが、キリスト教の世界に入り、改心した父が登場する。「アメフト」というテーマも含め、「アメリカだな〜」と思う演出。
彼らの青春を彼らの目線で切り取っている。しかし、まあなにか大きなサプライズがあるような作品ではないのだが。アメフト部の戦いっぷりはかなりカッコよく撮られている。「鼓動を響かせて」の副題の通り、ろうあ者は振動で音を感じる。映画でも重低音がたびたび挿入され、面白い効果を生んでいる。
「コーダ あいのうた」では、とある手話がかなり大事な場面で登場するにもかかわらずなんの説明もなくて困ったのだが、同じ手話がこの映画にも登場している。これだけは覚えておいて損はないと思った。自殺したテディの恋人は男性なのだろうか。手話なので声がわからず。そこは大事ではないのだが。