映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「死刑にいたる病」感想

f:id:StarSpangledMan:20220508020106j:image

死刑にいたる病、観た。目玉がビー玉になった阿部サダヲが怖すぎる。人間の真理やタブーへの踏み込みは期待ほどではなく、若干息切れはするものの、最後まで楽しめた。ガラスを隔ているのにどんどん飲み込まれていく面会の場面がほんとうに面白い。ワクワクする。宮崎優という役者を知れた喜びも。

シリアルキラーの造形に関しては、阿部サダヲの貢献がかなりの部分を占めている。行動原理はわりと典型的で、この作品だから新しいという要素は見当たらなかった。パン屋のおじさんなのは面白かったけど。せっかくなら閉店後の店内で殺人してたら愉快なのに…とは思った。

人体破壊描写は気合が入っている。そこそこ入りのいいシアターで見たけど、上映後のエスカレーターで結構「グロい」「描写がキツい」という声を聞いた。だってこれPG12ですよ。「孤狼の血」シリーズがR15なのに。直接的な切断シーンがなければオーケーなのだろうか。ますます基準がわからなくなる。

面会シーン自体はそこまでアクロバティックに演出を変えないんだけど、その間の過程で微妙な「変化」を描いたり、新たな疑問を追加したりすることで、二人が改めて出会ったときの緊張感を高めている。雅也が猫背になり、目つきは鋭く、やたらと爪に目を配ったり…といった具合である。