映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「シン・ウルトラマン」感想

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シン・ウルトラマン、観た。一週間寝かせてもうまく感想まとまらず。シン・ゴジラの精密なセリフまわしや同時代性はどこへやら。作り手の趣味やこだわりは全面に出ているが、だったらもっとちゃんと撮れよと。チグハグは否めないが、外星人のロマンや銀色の巨人の美しさには共感。でも続編は観たい。

ザラブとメフィラスのエピソードは本当に面白い。メフィラスというキャラの広がりは特にすばらしい。山本耕史の胡散臭い演技もインパクト抜群。間違いなくこの作品でいちばん輝いていた。しかし、だからこそザラブのパートいる?。外星人の話ふたつも要らないのでは。作り手が好きなのかな?と。

禍特隊まわりに期待していた群像劇は全く機能せず。巨災隊の鮮やかなキャラ捌きは何処へ…。彼らもテンプレ的と言えばテンプレ的なのだけど、それ以上の肉付けと愛おしさがあった。有岡大貴と早見あかりのキャラは背景やチームの位置付けがわかりにくかったなあ。勿体ない。もっと好きになりたかった。

散々言われてるが神永がどんな人間なのか分かりにくい。というか情報がほぼない。いっそ「君の名は。」スタイルで最初からウルトラマンでもよかった。終盤でやりたいことはわかるけど…。まあでも、部分部分でブチ上がることもあるから、憎まない作品でもある。ちょいレトロなSF感強めなのも好きだし。

正直、ウルトラマンを二時間の映画にまとめるならここをポイントにするだろうな、みたいな事前の予想はまあまあ当たってた。だからこそ、だったらなぜそうなるの?みたいな自分の理想とのギャップを感じてしまい。「庵野っぽいカット」をかき集めた編集もドラマに寄与してない。人の演出もハマらない。

禍特隊まわりだと田中哲司がいい味出している。ザラブと対峙した時の第一声はカッコよかった。ああいうスーツのおじさんと宇宙人がうす暗い会議室でコソコソ交渉する雰囲気は好き。昭和の特撮のエッセンスをそのまま令和に持ってくる面白さがあった。いろんな怪獣が出てくる楽しさもわかる。

長澤まさみまわりの演出のしょーもなさには失笑しかない。アニメっぽいキャラ造形をスーツ着た大人の女性に演じさせても妙なギャップが出るし、お色気ギャグやっても生々しさが出て笑えない。その方向性でやるならうまく撮ってほしい。それでスベるなよと。脚本の意図を監督は汲み取れてるのか…?