「希望と絶望 その涙を誰も知らない」感想
希望と絶望 その涙を誰も知らない、観た。コロナ禍に翻弄された日向坂46の二年間に迫る。まさしく自分がハマった時期から現在までの期間、その裏側とメンバーたちのプロ意識を知られたのは良かった。この頑張りに自分は支えられたんだなあ。しかし、一方でドキュメンタリー映画としては歯応えなし。
もともとはひなくり2019のサプライズ発表から東京ドーム公演までの一年間を追うドキュメンタリーにする予定だったが、コロナ禍により、大きく方向転換を迫られたとのこと。でも、グループの軌跡を追うのであれば、正直この映画の二年という期間でも短かったのではないかと思う。
大きな柱となるネタがないので裏側を見せるしかない、という風に見えてしまう。キャプテンのコメントから察するに、(当たり前かもしれないが)多くのメンバーはプロとして頑張っている姿を見せたいのであって、その裏側や苦労はエンタメとして見せたくないし、好きに消費もされたくないのだろう。
「三年目のデビュー」と比べると、裏方の大人の顔が見える映画だ。メンバーの相次ぐ戦線離脱や、過密スケジュールによる摩耗は、明らかに大人たちのせいだと言いたげな。説教してる「偉いおじさん」の絵面は、そういう切り取り方だよな。そして、複数のメンバーを中心にストーリーを組み立てる。
言ってしまえば、キャプテンと渡邉美穂、それから過渡期のセンターとしての加藤史帆。特にキャプテンと美穂がいかにグループを支えてきたか。どんなに辛くても人前では笑顔でなければならないアイドルの仕事は過酷だ。この映画で感動したのは、そんな彼女たちのプロ意識ですね。