映画狂凡人

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「私に××しなさい!」感想(ツイッターより再掲)

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私に××しなさい!、みた。ドラマ版4話。主演の玉城ティナがいい。大きな瞳にしなやかな白い腕。伏し目がちになると映える。若手俳優勢ぞろいだけど意外にもみんな演技は悪くない。なにかとシャツを脱ぎ出す仕様なのは笑った。映画版は「伊藤くん A to E」と同じパターンでしょうか?

「シャザム!」感想(ツイッターより再掲)

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シャザム!、みた。傑作。ひとりぼっちの少年が魔術師からスーパーパワーを授かる。明るく楽しい作風とは裏腹に描かれるシビアな現実。孤独と向き合うこと、そして、ほんとうに自分のことを想ってくれる仲間を知ること。信じることで目覚める力もある。たくさん笑って、たくさん燃えました。最高!

「きみと、波にのれたら」感想(ツイッターより再掲)

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きみと、波にのれたら、みた。海で亡くした恋人が、水の中に現れた…。みんな誰かの分身であり、救いあいながら生きている。いまは乗れなくても、次また大きな波がくるのを待てばいい。「夜は短し」や「ルーのうた」に比べ、うねるようなアニメーションも、破天荒なストーリーも控えめ。不完全燃焼…。

前半、ひな子と港のしあわせな時間の描写がいい。たまごサンド、コーヒー、サーフボード…目につくすべてのモノや景色が美しく見える。ふたりでいる時間が輝き、大切な思い出になればなるほど、喪失の痛みは大きい。Brand New Storyをキャッキャしながら歌うところの多幸感!川栄李奈うますぎ。

一方、中盤の転調以降はしっくりこない。というか、歌がしつこくて乗れなかった。残された3人の再生の物語が展開されていくが、山葵の成長やクライマックスのイベント、スナメリにウミガメなど、エピソードやモチーフの選択が軽いというか表層的に感じる。つまり、わざとらしい。

正直、この手の話で主人公が立ち直るのはわかりきってるので、たとえばもう一段階試練があったり、乗り越える上での波乱があったり、というものを期待してしまう。そこらへんがぬるっとしてる。港と、彼との出会いが理想化され過ぎて、ひな子がじぶんで選択して成長したように見えない。

アニメーションはとてもよかった。冒頭、送電線を追いながら海に向かうひな子を下から煽って撮る演出や、美しい花火と禍々しい炎、数々の波乗りシーン、そしてクライマックスの幻想的なシチュエーション。地味に音響にもこだわっていて、やはり映画館の環境でこその見応えだったと思う。

「ハロウィン」感想(ツイッターより再掲)

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ハロウィン、みた。恐怖のブギーマンが40年ぶりに帰って来た。前作未見。最近はやりのホラー映画というよりは正統派スラッシャーといったところ。なにを考えてるのか読めない、腕力も人外、目に付いた使えそうな道具は全て試すDIY精神。容赦ないゴア描写は満足だけど、意外と地味な映画でした。

「いちごの唄」感想(ツイッターより再掲)

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いちごの唄、みた。親友の死から10年、コウタは東京の街で偶然「天の川の女神」あーちゃんと出会い…。まるで練乳のように甘くて濃ゆい映画。ちょっぴり異物感のある青年は、全身からあふれる優しさと善意で、ひとりの女性の世界をささやかだが輝きのあるものに変えていく。さあ、自転車に乗ろう。

悪意のない世界を信じたくなる。インスパイア戻るとなった銀杏BOYZの世界観は正直よく知らないが、少なくともこの映画には、コウタの見る世界には、愛がたくさんある。困った人がいたら手を差し伸べる、右の頬を打たれたら左の頬も差し出すような人間だ。純粋なファンタジーである。

古館祐太郎の演技は初め(キャラクターへの違和感も含めて)けっこう不安だったのだが、彼なりの悩みも表出しはじめたあたりから人間臭さも増してきて、いい味わいになっていたと思う。石橋静河は「女神」だった。笑顔が切ない女優っていいと思う。「きみの鳥はうたえる」を連想させるカットもあった。

彼女を撮る人はみんなああいう見せ方をしたがるのだろうか?峯田和伸光石研、清原伽耶など助演陣も輝いていた。とくに良かったのは蒔田彩珠。生まれながらの「マセ顔」女優だと思うのだが、出番の少なさの割に存在感大きかった。あの細い手足がまたマンガチックで絵になります。

ここまでポジティブなことを言ってきたけど、脚本というかお話しの運び方は稚拙だった。いまいちパンチが効いてないんだよな〜と。「さよならくちびる」「ウィーアーリトルゾンビーズ」「小さな恋のうた」など音楽映画が豊作なので、もっと音楽の力を見せて欲しかったという気持ちは捨てきれない。

あと演出は致命的にダメだったと思う。夜のコンビニおでんのシーンなんて、なんでそんな貧相な絵にするんだ?と思ってしまった。映画館のスクリーンで見る映像ではない。照明も安っぽい。ラストシーンも良かったんだけど、撮る人上手かったらもっと響いたんだろうなと思ったり。そこはちょっと残念。

「名探偵コナン 紺青の拳」感想(ツイッターより再掲)

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名探偵コナン 紺青の拳、みた。傑作。ハリウッド的ポップコーンムービーを日本で作るとしたら、このシリーズしかない。シンガポールを舞台に移し、ワイスピ並みの景気の良さに。コナンの影薄めな分、怪盗キッドや京極、園子など各キャラにも見せ場があって嬉しい。この調子で世界中まわってください。

良くも悪くも探偵ミステリーの殻は脱ぎ去って、アクションに次ぐアクション、そして爆発で盛り上げる。カーレース映画だったワイスピがアクション映画になったように。コナンの秘密道具があまり活躍しなかったのは残念だけど、京極がいるから肉弾戦は見応えがあった。

「ウィーアーリトルゾンビーズ」感想

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ウィーアーリトルゾンビーズ、超絶大傑作。両親を亡くした4人の子どもたちによるデッドパンコメディ。人生なんてクソゲーだ。シナリオどおりに進んでたまるか。レトロゲームのプレイ画面の上で、彼らは躍動する。この映画は、物語にもならない平凡な人生に絶望する「ゾンビ」たちへの強烈なビンタだ。

大人は希望を持てというけど。肝心の彼らは暗い顔をして、スマホを無心に睨みつけ、日々の生活に疲れ切っている。「そうして私たちはプールに金魚を、」でも感じたが、長久允監督はこの国のウンザリするような平凡さにたいする若者の絶望と、どんどん無感情になっていく人びとの心を捉えていると思う。

「オトナ帝国の逆襲」でいうところの大阪万博のように、「ウィーアーリトルゾンビーズ」のレトロゲームは、大人たちの「過去」を表している。しかしヒカリたちには帰りたい過去がない。そこにはひたすら現実への諦めがある。もう「希望」という言葉は薄っぺらくなってしまったらしい。

「あした世界が滅んだら面白いのに」と妄想する、思春期前の子どもたち。でも、両親が死んだってなにも変わらない。悲しいはずなのに涙がでない。夢や希望のないこの時代に、せいぜい望めるのは「平凡」な生活だが、静かに沈みゆく船の中で窒息する僕たちには、それすら高望みなのかもしれない。

それでもイクコは言う、「絶望ダッサ」と。ゾンビのままかもしれないけれど、その先にはひたすら青々としたら草原が広がっていて、たくさんの冒険が待っている。デカい夢なんてなくてもいい。ま、とりあえず「コンティニュー」してみようぜと。平凡に希望を見る涙ぐましさ。

シニカルな笑いに満ちた作品だけど、やはり根底にあるのは生き抜くことへの肯定である。子どもたちは親たちの死を目の当たりにするが、自分が死ぬことは一切考えていない。この先、「大人」になることは想像しても、老いていくことや、荼毘に付されて骨になることは頭にない。生きることだけ信じてる。