映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「凪のお暇」感想

凪のお暇、全話みた。面白かった!みんな空気読んで、その場を取り繕って、周りにいい顔して。気づいたら「カッコ悪い」生き方をしてる。凪だけじゃない。慎二、坂本さん、みすず…。それぞれに胸の奥に抑え込んだドロドロが、偶然の助けを借りながら、ちょっ…

「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」感想

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ、みた。高校進学を控え、冴えない自分を変えようと奮闘するケイラの物語。SNS上のアバターと、学校での無口な私と。もっとクールになれるはずともがくケイラのニキビだらけの顔も、クラスの人気者の前で丸まっ…

「冬冬の夏休み」感想

冬冬の夏休み、みた。冬冬が祖父の田舎で夏休みを過ごす様を描く。イケてるオモチャ持ってれば尊敬される、妹には少し意地悪したくなる、意味はよくわからなくてもオトナのいざこざは敏感に感じ取る。侯孝賢はどうやってこの年頃の感性をみずみずしく切り取…

「聖者たちの食卓」感想

聖者たちの食卓、傑作!シク教総本山ハリマンディル・サーヒブで毎日無料で提供される10万食の豆カレー、その舞台裏に迫るドキュメンタリー。無駄ひとつない手さばき!すべて無償労働というから驚き。500年間生き続ける巨大な生命体と言ってもいい。尊い文化…

「そして誰もいなくなった」感想

そして誰もいなくなった、みた。孤島に閉じ込められた10人の男女が、童謡の歌詞の通りに次々殺されていく…。原作未読。一人、また一人と無残な死に方をしに、謎が謎を呼ぶ。それでいてユーモアも忘れない。徐々に候補が絞られていくので、犯人探しの推理も楽…

「パラダイス・ナウ」感想

パラダイス・ナウ、みた。自爆テロの実行犯に選ばれた二人の青年の物語。ぐったり疲れた。なぜ彼らはこのような選択をしなければならなかったのか、ほかに道はなかったのだろうかと、考えてしまう。すれ違う二人の想いに胸を締め付けられる。残念ながら公開…

「サウナのあるところ」感想

サウナのあるところ、みた。サウナ王国フィンランドの異色ドキュメンタリー。男なら泣くな、弱みを見せるな。そう育てられた男たちが、心も裸に、先立った家族との思い出や、運命の人との出会いについて語りだす。石の上で水の焼けるジュワッという音が心地…

「アド・アストラ」感想

アド・アストラ、みた。海王星で消息を絶った父を追って宇宙を旅するロイの物語。月面コロニーでの攻防や現実の延長線上にあるようなテクノロジー描写などディテールは好み。だが、宇宙空間と内面世界を重ねる演出や父性の超克といった物語の骨子には既視感…

「アイネクライネナハトムジーク」感想

アイネクライネナハトムジーク、超絶大傑作。ずっと見ていたいと思える映画だった。人生において時々起きる「劇的なできごと」が幸せをもたらす?いや、たいていは平凡に生きる僕たちを温めてくれるのは、ささやかな日常であり、小さな夜の積み重ねだ。街の…

「HELLO WORLD」感想(ネタバレあり)

HELLO WORLD、みた。直美が瑠璃と出会う時、すべてが始まる。瑠璃を追いかける中で明らかになる二人の運命と世界の秘密。自分の気持ちと向き合い、丸ごと愛おしく抱きしめる。きみこそが世界そのものなのだ。これはアダムとイブがエデンの園を追放される、創…

「人間失格 太宰治と3人の女たち」感想

人間失格 太宰治と3人の女たち、みた。太宰が「人間失格」を書くに至るまでを描く伝記的映画。振り回され、傷つき、愛を求める妻と二人の愛人。太宰は彼女たちの魂を吸い取るように作品を書き、文壇のスターの階段を駆け上がっていくが、その実、獲物にされ…

「記憶にございません!」感想

記憶にございません!、みた。史上最悪のダメ総理の頭に小石が直撃、記憶喪失に。バレないように奮闘する総理と側近、周囲とのギャップがたのしい。「腹を割って」で政界に風穴を開けていく、黒田の快進撃の多幸感よ。各エピソードは面白いけど、少し散漫な…

「Heaven?〜ご苦楽レストラン〜」感想

Heaven?〜ご苦楽レストラン〜、全話みた。平日の夜にぼんやりと見るにはちょうどいいゆるさ。ロワン・ディシーのチャーミングな仲間たちを好きになる。善意のすれ違いが可笑しい。どのエピソードも最後は優しい気持ちに。オーナーはちょっとうっとうしい部分…

「フリーソロ」感想

フリーソロ、みた。今年ベストの一本!ロープなし&素手で945メートルの絶壁に挑戦する男を追うドキュメンタリー。数ミリのミスが死に直結する環境で、つねにパーフェクトとエクセレンスを求めるオノルド。最後20分のスリルよ!鑑賞後の手汗と徒労感がすさま…

「惡の華」感想

惡の華、みた。女子のブルマを盗んだことから始まる春日と仲村のサディスティックな主従関係。特別な存在でありたい、あの山の向こうへ羽ばたきたいという思春期の激烈な情動と、暴力的なまでのイノセンス。そして性への執着と裏返しの、成長への困惑。どす…

「工作 黒金星と呼ばれた男」感想

工作 黒金星と呼ばれた男、超絶大傑作。北朝鮮に潜伏するスパイを描く、実話に着想を得たスリラー。命を賭けた緊迫の駆け引きと、徐々に浮かび上がる祖国の真の姿。鍵を握るリ所長とパクの、国境や立場を超えた信頼関係。巨大な力に翻弄されながら、それでも…

「いなくなれ、群青」感想

いなくなれ、群青、超絶大傑作。捨てられた人々が集まる階段島で再会した七草と真辺。前に進むことを拒み、閉じた世界に満足しようとする、この島の閉塞感はいまの日本の鏡だ。「他者」と出会い、本気でぶつかる時のあのヒリヒリとした感覚。夜空に彼女を見…

「スタートアップ・ガールズ」感想

スタートアップ・ガールズ、みた。自由奔放な起業家の光と、堅実な大企業勤めの希。正反対のふたりがぶつかり合い、成長していく様を描く。光のように羽ばたきたいって気持ちも、地に足つけて頑張らなきゃっていう希の考えもわかる。東宝シンデレラガールズ…

「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦」感想

かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦、みた。大傑作。恋をする人なんて側から見れば馬鹿で、愚かで、無様なもの。プライドが高い二人の滑稽なつば迫り合いが楽しい。生徒会室のチンチン合戦や佐藤次郎のいつものアドリブなど、展開上不要かつパンチの…

「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」感想

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん、みた。超絶大傑作。行方不明となった祖父の名誉を取り戻すため、北極を目指すサーシャの物語。箱入り娘が数多の試練を乗り越え、たくましく成長していく様に涙。シンプルながら洗練されたアニメーション。ブリザード…

「メランコリック」感想

メランコリック、超絶大傑作。転がりこんだバイト先の銭湯がヤクザの「仕事場」だった…。窮屈に生きる鍋岡も、笑顔が優しい百合も、意外と頼り甲斐のある松本も、みんな大好きになる。タイルに広がる禍々しい鮮血と、酒飲み交わし温かいご飯を頬張る時間の激…

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」感想

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」をひさびさに。超絶大傑作。無邪気だったあの頃に帰りたいと願う大人と未来を取り戻そうとする子ども。かつて想い描いていた21世紀はやって来ない。大人は弱くて脆くてずるい。現実は腐ってる。そ…

「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」感想

男はつらいよ 寅次郎相合い傘、超絶大傑作!メロン騒動のしょうもなさに笑い、柴又駅での相合い傘に泣く。「あら、迎えに来てくれたの?」『馬鹿野郎、散歩だよ』のやりとりは絶品。「女の幸せ」の型にはめられることに憤るリリーの言葉は今でも刺さる。彼女…

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」感想

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド、みた。60年代終わりのハリウッド、落ちこぼれの俳優とスタントマンの3日間を描く。思い通りいかずに暴れ、最高の演技に喜びを噛みしめるリック=ディカプリオが愛おしい。そしてシャロン・テートもこの時代を…

「劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD」感想

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD、みた。あなたが私を忘れても、たとえあなたじゃないかもしれないと言われたとしても、一途に想い続けるということ。側から見れば「歪」な関係。それもまた「LOVE」なのだ。不器用な映画だが、たっぷり笑いました。サウナ…