映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「マスカレード・ホテル」感想:プライドのぶつけあいが熱い異業種バディ

こんにちは。じゅぺです。 今回のレビューは「マスカレードホテル」です。 当ブログは一応全記事ネタバレありですが、あらかじめ断っておくと本作のトリックについても言及しています。未見の方はご注意ください。 「マスカレード・ホテル」は、高級ホテルで…

「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」感想:エキセントリックな喜劇と虚飾にまみれた悲劇の交錯

こんにちは。じゅぺです。 今回は「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」について。 「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」は、実在したソプラノ歌手、フローレンス・フォスター・ジェンキンスを描く伝記映画です。 彼女は、プロのソプラノ歌手でありなが…

「洲崎パラダイス 赤信号」感想:男と女の不合理

こんにちは。じゅぺです。 今回は「洲崎パラダイス 赤信号」について。 「洲崎パラダイス 赤信号」は、男を頼って享楽的に暮らす蔦枝と、カタギに生きようともがく義治の二人の関係性の揺らぎと変化を描く、川島雄三監督の作品です。 この映画に出てくる男と…

「ストレンジャー」感想:カメラが真相を語る

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ストレンジャー」について。 「ストレンジャー」はナチスの逃亡犯と彼の逮捕に燃える捜査官の攻防を描くサスペンス映画です。監督は「市民ケーン」のオーソン・ウェルズ。自分でいかにもな顔面の悪役を演じています。 ボー…

「白雪姫」感想:すべての始まりにして頂点

こんにちは。じゅぺです。 今回はディズニー・プリンセスと言えば真っ先に名前が挙がるすべての原点、「白雪姫」について。 「白雪姫」のあらすじはみなさんご存知でしょう。白馬の王子様に恋した白雪姫が、彼女の美を妬む魔女に命を狙われ、身を隠した森で…

「未来を花束にして」感想:我が子が大人になった頃の世界はせめて

こんにちは。じゅぺです。 最近、自民党の某議員が「LGBTばかりになると国が滅びる」と発言したことで批判を集めました。同性婚を合法化する国も増える中、いまだに日本の政治家はこのレベルの認識なのかと愕然としてしまいます。2019年の今も日本ではジェン…

「クリード 炎の宿敵」感想:ロッキーにもクリードにもなれなかった男たちの輝き

こんにちは。じゅぺです。 今回は現在上映中の映画「クリード 炎の宿敵」の感想を書きたいと思います。 「クリード 炎の宿敵」は「ロッキー」シリーズの第8作目であり、新章「クリード」シリーズの第2作目でもあります。 前作「クリード チャンプを継ぐ男…

「リトル・フォレスト 冬/春」感想:いち子を縛る過去と地元

こんにちは。じゅぺです。 今回は「リトル・フォレスト 冬/秋」について。 「リトル・フォレスト 冬/春」は、田舎で自給自足生活をする少女・いち子の生活を描く作品です。 前回「夏/秋」のレビューで、あえて起伏を排した平坦なストーリー構成になってい…

「リトル・フォレスト 夏/秋」感想:おしゃれでリッチな田舎暮らしの理想郷

こんにちは。じゅぺです。 今回は「リトル・フォレスト 夏/秋」について。 「リトル・フォレスト 夏/秋」は、東北のとある田舎町・小森に暮らすいち子の日常を描く作品です。春夏秋冬でそれぞれ単独の映画になっています。劇場公開時には「夏/秋」と「冬…

【美術展】「ムンク展」に行ってきました

こんにちは。じゅぺです。 先日、上野の東京都美術館で「ムンク展 共鳴する魂の叫び」に行ってきました。たいへん話題になっている展覧会で、僕が行った日も入場するだけで30分待ちでした。時間帯によっては90分待ちの時もあったそうです。すごい人気で…

「クルーレス」感想:アリシア・シルヴァーストーンの輝き

こんにちは。じゅぺです。 今回は「クルーレス」について。 クルーレスは1995年公開の青春映画です。ダサい(=クルーレス)ことが大嫌いで、学校のイケてない人をイメージチェンジすることに精を出している美少女・シェール。学年一の人気者の彼女は、じ…

「ペット」感想:動物目線で世界を切り取る

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ペット」について。 「ペット」はニューヨークのアパートで暮らすペットたちの大冒険を描くアニメーション映画です。制作スタジオは「怪盗グルー」シリーズでおなじみのイルミネーション・スタジオ。フランスらしいエスプ…

「ハード・コア」感想:アウトローたちの居場所

こんにちは、じゅぺです。 今回は「ハードコア」について。 「ハード・コア」は、行くあてもなく埋蔵金探しで日銭を稼ぐ右近と牛山が、不思議なロボットに出会うダメ男たちのファンタジーです。非常に独特な世界観の作品になっていて、このノリについていけ…

「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」感想:好き勝手暴れる軍人たちも組織人

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」について。 「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」は、麻薬カルテルとの壮絶な戦いを描いた「ボーダーライン」の続編です。今回は、国防省が麻薬カルテルを弱体化させるために、秘…

「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」感想:鹿野靖明の生き様から得られるヒント

こんにちは。じゅぺです。 今回は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」について。 「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」は筋ジストロフィ患者・鹿野とボランティアの1年間を描くヒューマンドラマです。主人公の鹿野を演じるのは大泉洋。彼を支える…

「台風クラブ」感想:思春期の幼稚性と暴力性

こんにちは。じゅぺです。 今回は「台風クラブ」について。 「台風クラブ」は、相米慎二監督による青春映画です。台風の接近を機に内なる衝動を解放していく中学生たちを描きます。相米監督の作品は「セーラー服と機関銃」を見て以来気になっていて、本作も…

「魔法にかけられて」感想:ディズニー・プリンセスの否定と再構築

こんにちは。じゅぺです。 先日「シュガー・ラッシュ:オンライン」が公開されました。この映画は「シュガー・ラッシュ」の続編でありながら、ディズニー・プリンセスの文脈でも語りうる批評性を持っている点で非常に注目すべき作品です。「白雪姫」をはじめ…

「アリー/スター誕生」感想:ブラッドリー・クーパー、主役を乗っ取る

こんにちは。じゅぺです。 今回は「アリー/スター誕生」の感想です。 「アリー/スター誕生」は、これまで3度映画化されている「スタア誕生」のリメイク作品です。1937年版と1954年版の「スタア誕生」ではハリウッドスターを夢見る女の子が主人公…

「アメリカの夜」感想:映画がなければ生きられない人たち

あけましておめでとうございます。じゅぺです。 今年もよろしくお願いします! 新年1本目の記事は「アメリカの夜」の感想です。 いきなりですが、去年のお話から始めます。2018年の映画界も大いに盛り上がりましたが、中でも象徴的な作品に「カメラを止…