映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「梨泰院クラス」全話感想

梨泰院クラス、全話見た。父の因縁の相手に復讐するべく梨泰院から飲食業界の頂点を目指す青年の物語。いや〜、面白かった。ひさびさに終わってから走り切った!って感覚を味わった。復讐劇でありながらしっかり青春。セロイがスアに行くのか、それともイソ…

「トリコロール/青の愛」感想

トリコロール/青の愛、みた。作曲家の夫を事故で失ったジュリーは彼に愛人がいたことを知り…。フランス国旗の青は自由を意味するらしい。自殺を試みても、プールで孤独に浸っても追いかけてくる過去。忘れたいのに忘れられない。夫への愛から自由になりたい…

「OL日記 牝猫の情事」感想

OL日記 牝猫の情事、みた。情緒不安定なOLが憧れの上司を監禁する。うーん、よくわからなかった笑 ストーリーはほぼない。撮りたい絵を羅列したような構成だけど、特にインパクトが強いわけでもなく…。お抹茶点てるのとセックスで絶頂に達するのがオーバーラ…

「オアシス」感想

オアシス、傑作!ならず者のジョンドゥと脳性まひのコンジュ。身内から疎まれ孤立した世界に生きるふたりは愛を育むが…。時折差し込まれる空想の場面に胸をぎゅっと締め付けられる。他人には解らない景色が彼らには見えていた。大渋滞の高速道路で踊るダンス…

「一条さゆり 濡れた欲情」感想

一条さゆり 濡れた欲情、みた。実在のストリッパーの半生を本人が演じる。実際の劇場で撮影した蝋燭ショーの迫力!PCの画面で見ても一条さゆりの体の重みと熱が伝わってくるような…エロさよりも「こんな世界があるんだ!」という驚きが勝る。本能に任せて生…

「映像研には手を出すな!」全話感想

映像研には手を出すな!、全話みた。アニメ版の完成度が高かったので心配してたけど、部活動×ファンタジーと独特のアプローチで面白かった。特に浅草氏は齋藤飛鳥なりのキャラ設計で可愛かったし、水崎氏と金森氏はわりとイメージ通り。映画版と連動している…

「ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから」感想

ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから、みた。アメフト男子ポールのために恋文を代筆するエリー。しかし彼女は手紙の相手のアスターに恋をしていて…。とても爽やかな後味だった。最後にエリーの眺める景色がすべてなのだと思う。もう「出口なし」じゃな…

「雄呂血」感想

雄呂血、メチャクチャ面白かった。正義を信じて突き進むが全て裏目に出てしまう平三郎。やがて彼は犯罪者として追われる身になり…。阪妻こと阪東妻三郎の目ヂカラ!刀を鞘にしまう所作一つとっても美しい。そしてラストの大立ち回り。カットを割らずに大人数…

「イル・ポスティーノ」感想

イル・ポスティーノ、みた。大傑作!祖国チリを追われた詩人と漁村の郵便配達員の物語。師匠と弟子であり、また親友同士でもあるパブロとマリオ。ナポリの美しい海とプラトニックな愛のことばに心が洗われる…。詩によって世界が開けていく感覚、わかるなあ。…

「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」感想

チャイニーズ・ブッキーを殺した男、みた。ナイトクラブの主人がギャンブルで借金をこさえ、仕方なく殺しを引き受けるが…。自分もその場に立ち会っているかのような手持ちカメラの臨場感。物事はめまぐるしく動くが時間の流れはゆったりとしている。これとい…

「黒薔薇昇天」感想

黒薔薇昇天、みた。ブルーフィルムを撮る自称芸術家の奮闘を描く。「セックスは芸術なんや!」と熱弁ふるう岸田森の胡散臭さ笑 観覧車や絡みの独特の長回し、画面に映り込む通行人、そしてポルノ映画への自己言及…ドキュメンタリーチックでもある。彼の原動…

「不気味なものの肌に触れる」感想

不気味なものの肌に触れる、みた。〈触れてはならない〉という禁忌。チヒロはナオヤに触れたがっているのだろうか。相手の口を塞いで自分の手の甲を噛みちぎるあの儀式のような振る舞いは?川底に沈殿するものとは?謎をちりばめたまま突然事切れる物語。こ…

「天使のはらわた 赤い教室」感想

天使のはらわた 赤い教室、みた。超絶大傑作!暴行現場がブルーフィルムとして出回り教師の夢を絶たれた名美と、彼女を探し続ける村木。やはりここでも幸せな交感は描かれない。正直前半はそれほどだが、「三年後」以降一気に惹かれた。襖の間から覗く地獄絵…

「(秘)色情めす市場」感想

(秘)色情めす市場、大傑作!西成に生きる売春婦の物語。ざらついた白黒の映像に混沌としたドヤ街の風景が映える。ここでは性交は快楽のない痛みを伴う虚無の作業だ。彼女の表情の苦しそうなこと!地べたを這いつくばって泥水をすすってでも生きる。いや生き…

「団地妻 昼下がりの情事」感想

団地妻 昼下がりの情事、みた。閉塞した生活を送る団地妻が、昔の男と寝てしまったことからコールガールの世界に巻き込まれていく…。普通の成人映画だなって感じだけど、畳の上、マジックミラー、シャワー浴びながら…絡みのバリエーションが豊かで誠実ですね…

「ラブホテル」感想

相米慎二「ラブホテル」みた。傑作!巨額の借金を抱えた村木はデリヘル嬢・夕美を道連れに自殺を試みるが…。全身から歓びを爆発させる様を見て死ぬのをやめた村木、そんな彼の「天使」の言葉に救われ、支えを求める夕美。絶望の淵にある時、すがりたい相手は…

「‪ 悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」感想

悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46、みた。超絶大傑作!メンバーの母親目線で語られる成長の物語。普通の女の子だった娘がどんどん〈遠く〉へ行ってしまう様をグロテスクにえぐり出す。特に秋田から単身上京した生駒里奈がセンターに担ぎ上げられ重圧…

「今だから新作ドラマ作ってみました 第3夜」感想

「第3夜 転・コウ・生」みた。柴咲コウとムロツヨシと高橋一生とネコ。四人が入れ替わる騒動を描く。うーん、これまで2作と比べてしまうと物足りない。もっと長尺で膨らませたら面白くなりそうなのにと思ってしまった。zoom風画面分割演出は新鮮! 「転校…

「忘れじの面影」感想

忘れじの面影、みた。天才ピアニストに恋した女性の物語。うーん、久々の空振り。マックス・オフュルスの名前に期待しすぎた。ウィーンを離れても忘れられず、やっとの想いで結ばれても捨てられる。再会しても顔を覚えていない。なぜこんな男を好きになる?…

「僕らの先にある道」感想

僕らの先にある道、みた。別れた男女の〈その先〉を描く。北京に上京してきた二人。夢を追いながら貧乏生活を楽しんでいたが、やがてすれ違うようになり…。ちと感傷的過ぎるし甘ったるいなあと思うところはあったけど、エンドロールの演出が不意打ちでグッと…

「ある過去の行方」感想

ある過去の行方、みた。大傑作!再婚を考えていた男女が連れ子の秘密を知ってしまい…。次第に明らかになっていく過去とそれに伴い変化する関係性。幾重にも重なった謎を紐解くサスペンスフルな筆致にうなる。意外と自分の不満や願望って他人の言動で決められ…

「今だから新作ドラマ作ってみました 第2夜」感想

「さよならMyWay!!!」面白かった!死んだはずの妻がビデオ通話に現れ、離婚届を突きつけてきた…。序盤音の響きが悪くついていけなかったが、中盤以降のツイストの効いた展開、そして最後の夫婦の対話に泣く。いかに人と向き合うかが問われている。 …

「今だから新作ドラマ作ってみました 第1夜 」感想

「心にホノルル、彼にはピーナツバター」面白かった!結婚式がコロナでキャンセルになってしまった遠距離恋愛中のカップル。最初は楽しげだったが徐々にすれ違い…。満島真之介のちょっと無神経なところが絶妙。リアルで生々しい会話に役者の底力を感じた! …

「透明人間」感想

透明人間、みた。H・G・ウェルズの同名原作小説の映画化。ひとりの科学者が全能感に支配され狂っていく様が描かれる。後半電車を脱線させるなど思ったよりぶっ飛んだことをやり始めるグリフィス博士。雪に付いた足跡で決着がつくのは少々脱力だが、彼と街の…

「前田建設ファンタジー営業部」感想

前田建設ファンタジー営業部、オンライン特別上映会にて。前田建設広報部がマジンガーZ格納庫の実現に挑む!空想の見積もり作成に後ろ向きだった社員たちが現場の技術者の熱意と矜持を肌身で知り、やがてプロとして全力で企画にのめり込んでいく。楽しく笑え…

「こわれゆく女」感想

こわれゆく女、大傑作!神経質で徐々に心のバランスを崩していく妻と、そんな彼女を愛しながらも抑圧的な態度で接する夫の物語。ジーナ・ローラの演技よ!常に落ち着きがなく、突然スイッチが入ってしまう。唯一子どもとの時間だけが平穏。罵声を浴びせあっ…

「ポエトリーエンジェル」感想

ポエトリーエンジェル、みた。〈詩のボクシング〉を通して自らの壁を突き破っていく人々を描く。岡山天音の無気力実家暮らし青年感!この手の役をやらせたら右に出るものはいない。ラッパー、地味女、公務員…脇役もいい味出してる。何より武田玲奈!最後の笑…

「ブランカニエベス」感想

ブランカニエベス、みた。継母に捨てられた闘牛士の娘が7人の小人に拾われ…。白雪姫を20年代スペインに置き換えたダークファンタジー。白黒サイレントで描かれる独特の世界観。徐々におとぎ話っぽくなっていくのが面白い。闘牛士の衣装に身を包んだカルメン…

「塔の上のラプンツェル」感想

塔の上のラプンツェル、面白かった!なるほど本作がこの後のディズニープリンセスを方向付けたのか。プリンセスが共にうたい踊るのは森の小鳥やウサギではなく、コワモテで手足の欠損した汗臭い男たち。そして彼女は無力感を煽り扉を塞ぐ毒親を捨てて、外の…

「かくも長き不在」感想

かくも長き不在、大大大傑作!16年前に夫をゲシュタポに連行されたテレーズはある日、彼にそっくりな浮浪者を見かけ…。いつまでも癒えない心の傷、どうにかして夫に生きていて欲しいと願うあまりの狂気…。どこまでも主観的な映画だと思っていたらあのラスト…