映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「青の帰り道」感想

青の帰り道、みた。高崎で夢を語り合った7人。あの頃はこの世のすべてを手に入れられる気がしたけど、世界はそれほど優しくなくて…。あんなに仲の良かった7人が、ボロボロに傷つき、疲弊して、空中分解していく。ちょっと辛気臭すぎたかな。「新聞記者」とい…

「無限ファンデーション」感想

無限ファンデーション、みた。大会に向けて準備を進める演劇部の姿を全編即興劇で切り取った青春グラフィティ。自由度が高いゆえの浮遊感、足場の落ち着かなさは拭えないが、それでも、計算の外へと飛び出す若さと無軌道なエネルギー、演技の拙さには不思議…

「感染家族」感想

感染家族、みた。超絶大傑作!田舎町の家族にやってきたゾンビと彼らに降りかかる災難を描くコメディ。パンデミック映画でここまでハッピーな気持ちになれるなんて!危機感のない愛すべきバカたち。キャベツ畑デートとゾンビディスコは最高に笑った。最後は…

「ロケットマン」感想

ロケットマン、みた。自己愛を求め彷徨うエルトン=レジーの物語。親の愛を受けられず、本当の自分を曝け出せない内気な青年が「なりたい自分」を演じる矛盾。破滅に向かう一方で派手になるパフォーマンス。完全に壊れてしまった心を押し込める道化のような…

「二ノ国」感想

二ノ国、みた。現実世界の生死とリンクした異世界・二ノ国での冒険を描く。ユウとハル、コトナ=アーシャ姫。「似た者同士」の親友の友情と対立、手の届かないあの人への恋心、ここではないどこかで活躍したいというイノセントな欲求はツボ。良作。ただ世界…

「ディリリとパリの時間旅行」感想

ディリリとパリの時間旅行、大傑作。南の島の少女が、キュリー夫人やロートレックら偉人との出会いを通じ、怪事件に挑む。ベル・エポックが舞台だが、現代社会への痛烈な眼差しも。少女には無限の可能性がある。彼女たちにはどこまでも遠くへ羽ばたいてほし…

「イソップの思うツボ」感想

イソップの思うツボ、みた。女子大生のささやかな恋心から始まる、一筋縄ではいかないサスペンス。「カメ止め」の二匹目のドジョウを狙ったが…会話劇が鈍重かつ説明的でうまく機能せず、キャラの魅力を描くことに力を入れてほしかった。どうせなら最後までタ…

「ピュア!〜一日アイドル署長の事件簿〜」感想

ピュア!〜一日アイドル署長の事件簿〜、みた。腹黒な浜辺美波と若干ポンコツの東出昌大の凸凹コンビが事件に挑む。トリックも構成も雑だが…ゆるふわな雰囲気と被せネタをたのしむ。浜辺美波がとてもキュート。たくさん変顔してくれてうれしい。東出昌大も逆…

「彼女と彼女の猫 - Everything Flows -」感想

彼女と彼女の猫 - Everything Flows -、みた。転校して一人ぼっちだった女の子が猫と出会い、やがて東京で社会に揉まれていく。江國香織の「デューク」を思い出す脚色。原作の閉じた世界観が好きな身としては物足りなさもあるが、優しさに溢れる良作でした。…

「ダンスウィズミー」感想

ダンスウィズミー、みた。超絶大傑作。音楽を聴くと踊らずにはいられない催眠にかかったOLの珍道中を描く。チャーミングで少々毒っ気のある矢口節はミュージカルを題材にしても健在。三吉彩花が最高にかっこいい。そして宝田明の色気!まわりの目なんて気に…

「やくざ絶唱」感想

やくざ絶唱、みた。傑作。異母妹を守ることだけが生きがいの兄・実。獣のように周囲の人間を殴り、暴れ続ける。勝新太郎のでっぷりした体躯とつぶらな瞳が、倒錯した純愛を強烈なものにする。兄の想いに反して男を引き寄せるあかねもまた罪な存在。ふたりの…

「彼女と彼女の猫」感想

彼女と彼女の猫、みた。傑作。この後の監督の作品のタネがたくさん散りばめられている。あいかわらず「お姉さん」なのと、新海誠がひたすらボソボソしゃべっているあたりは笑ってしまったけど…やはりこの世界への独特のまなざし、感じ方!女性の細い指や髪を…

「コンチネンタル」感想

コンチネンタル、みた。アステア&ロジャースの黄金コンビ初主演映画。すれ違い方が相変わらず強引で可笑しい。「タイトルナンバーの「コンチネンタル」や「夜も昼も」の優雅でダンサブルなメロディ、そしてアステアのすらっと伸びた足の機敏な動きとロジャー…

「よこがお」感想

よこがお、みた。介護士の身に降りかかる理不尽をふたつの時間軸で描く。親愛の情から失望、そして憎悪へ。冷たい空気と嫌悪感。ずるずると泥沼に沈んでいく市子の悲劇は、誰にでもあり得る話。横顔はその人の一部でしかない。人間はアシンメトリーで不安定…

「幸福の設計」感想

幸福の設計、超絶大傑作。パリの下町に生きる夫婦の小さな騒動を描く。美しく快活な妻・アントワネットと好青年だが甲斐性のない夫・アントワーヌ。小気味好い会話劇から宝くじを巡るサスペンスへ。あまりに些細でまぬけな騒動。きっとこれからずっと二人の…

「顔のない眼」感想

顔のない眼、みた。事故による火傷で美貌を失った娘のため、父・ジェネシュ博士は若い女性を相次いで拉致し…。おぞましくも異様な美しさを放つクリスチーヌの白いマスクは本作の象徴。ドキッとさせられる直接的描写も多く、見応えあった。ラストの選択の開放…

「20センチュリー・ウーマン」感想

20センチュリー・ウーマン、超絶大傑作。シングルマザーと息子、そして彼を見守る二人の女性。どれだけ愛していても想いは届かない。すれ違い、ぶつかり合う。母と子、男と女、ボガートとパンク。見える景色は違うけど、幸せになりたい、幸せになってほし…

「殺人者の記憶法」感想

殺人者の記憶法、みた。認知症の元殺人鬼 vs 現役殺人鬼。先を読ませないミステリー。主人公が「信頼できない語り手」であることがわかってきたあたりから、お話はがぜん面白くなる。記憶と空想の混濁の末に明らかになる男の罪。語りが若干もたつくが、「メ…

「パディントン2」感想

パディントン2、みた。財宝の秘密が隠された絵本を巡る騒動を描くシリーズ第2弾。人にやさしく親切にしていれば、その分だけ誰かがしあわせをおすそ分けしてくれるもの。しゃべるクマもコワモテの囚人も、見た目ではなく心を見よう。殺伐としたこの時代に当…

「ワイルド・スピード スーパーコンボ」感想

ワイルド・スピード スーパーコンボ、面白かった。マリオカート級の仰天ギミックあふれるアクションの連続!冒頭の登場シーンから対照的なホブズとショウ。屈強なハゲが憎まれ口を叩きながらイチャイチャするチャーミングな2時間。安心して見られる「過激さ…

「アルキメデスの大戦」感想

アルキメデスの大戦、みた。数学の力で戦争を止めようとする一人の男の奮闘を描く。理性で人間の業に勝てるのか。組織の論理、支配欲、エゴへの抵抗…。「完ぺきな答え」がすべてを解決に導くとは限らない。戦艦大和が当時の大日本帝国にとって、そして現代の…

「リトル・マーメイド」感想

リトル・マーメイド、みた。アリエルの「パート・オブ・ユア・ワールド」に涙する。人間が落としていったふしぎな道具を集めては愛で、地上の世界を想う。トリトンの治める美しい海も、彼女には狭すぎるのだ。父の支配を乗り越え、勇気ある行動で未来を掴ん…

「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」感想

映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ、みた。漠然とした不安と死の匂いを感じながら生きる。絶望は終わらない。なんとなく続く「嫌な予感」。東京の「今」に暮らす人びとの空気感を捉えた作品。主演の二人もいいが、田中哲司の不器用な歩き方がなんだか泣け…