映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「コクリコ坂から」感想

コクリコ坂から、みた。映画館で見て以来だったけど、やっぱり大好き。横浜という土地の様々な表情が楽しめる。コクリコ荘から望む海、風間の背中を感じながら自転車で下る坂道、夕暮れ時の元町の喧騒。カルチェラタンは文化系の夢。あの頃の「あしたもまた…

「これっきりサマー」感想

これっきりサマー、大傑作!甲子園の夢途絶えた高校球児と、夏フェスの参加を果たせぬまま友だちが離れた女子高生。〈可哀想〉なふたりのカオルの交感。新型コロナにより失われた夏。しかし、そこにもまた青春のドラマがある。彼らは、そして僕たちは、10年…

「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」感想

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー、大傑作!あの頃の瑞々しい感情、ワクワクが蘇るような映画だった。アダム・マッケイ&ウィル・フェレルのいつものドタバタコメディではあるのだが、オリヴィア・ワイルドと主演二人の品の良さでうまい具合に希…

「ポルトガル、夏の終わり」感想

ポルトガル、夏の終わりをみた。起伏がなくてまあまあ寝てしまった…笑 死期迫る大女優がポルトガルの街・シントラに親族を呼び寄せ…。人はこの歳になっても孤独なのかと。大人って大人じゃないのかもしれない。私が主役だと言わんばかりに存在感を放つシント…

「2分の1の魔法」感想

2分の1の魔法、面白かった。壮大な冒険を描きながらピクサーでも随一のミニマムな物語になっている。エルフと魔法の国なのに南部アメリカの片田舎のような世界観、ひ弱なイアンとポンコツ兄貴のバーリーのコンビが泣かせる。志尊淳と城田優の吹き替えはハマ…

「JOKE〜2022パニック配信!」感想

ときいうのも日本の青春映画に置き換えたとき、ここまでポップに「将来の夢」を描けるのだろうかと。バリバリ骨に響くビート音刻ませたヒップホップが流れる青春映画はそもそも日本では作り得ないのかもしれないが。「わたし大学行って最高裁判事になる!」…

「思い、思われ、ふり、ふられ」感想

思い、思われ、ふり、ふられをみた。4人の高校生が秘密や恋心を抱きながら交錯する群像劇なのだが、余白をセリフと回想で埋めるし、それぞれの問題はぶつ切りで解決されるから、とっても長く感じた。いちど早く終われモードに入るとその作品を好きになるの…

「不要不急の銀河 ドラマ版」感想

不要不急の銀河 ドラマ版、面白かった。緊急事態宣言下のスナックを描く。一度捨ててしまったら二度と戻らないものがある。都知事に名指しされた〈夜の街〉もまた誰かにとって大事な拠り所。「俺たちの人生は不要不急だったのか?」が刺さる。しかし、人間は…

「ん」感想

「ん」みた。日常にあふれる「ん?」を集めたショートドラマ。演者による振り返りトークもあり、面白かった。松本穂香の顔芸が良い。イライラとちょっとの毒っ気を含んだ表現が抜群に上手い!大好きな松田るかも出演。映画マウント取り出す麒麟川島に爆笑。…

「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」感想

赤い闇 スターリンの冷たい大地で、みた。30年代、ホロドモールの真相を探るべくウクライナに乗り込んだ記者の闘いを描く。ソ連の現実を知りながらプロパガンダに加担するデュランティを見ていろんな人物の顔が浮かんだが、はたしてそれを批判できるほど俺自…

「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」感想

ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶、みた。生存者の証言で紡ぐ沖縄地上戦の記憶。凄惨のひと言に尽きる。潜水艦に沈められた対馬丸の話が恐ろしかった。醤油樽にしがみついて数日漂流するなんて。空から爆弾が降ってきて、仲間内で殺し合って……

「弱虫ペダル」感想

弱虫ペダル、面白かった。全編のうち7割がロードレース!見ているこっちの太ももがパンパンになってしまう。小野寺たちの成長と関係性の変化を、競い、競われ、抜き、抜かれ…の駆け引きでほぼ描き切ってしまう、なかなか特殊な構成。だけど素直に熱い!帰り…

「めまい」感想

めまい、みた。いままで見たヒッチコックの作品は微妙だったけど、これは面白かった。マデリン=キム・ノヴァクの幽霊のような佇まい!夢を見ているように不気味な前半から唐突な転調、種明かし後はぐいぐい引き込まれた。幻覚の場面のサイケ感最高!相変わ…

「ぐらんぶる」感想

ぐらんぶる、みた。マッチョの全裸と顔芸にたいする圧倒的信頼。前半のループ演出も狂ってるが、そのあとのハイテンションな割に妙に弛緩したギャグ連発も凄まじかった。ムサい男の群れが8割を占めるだけに、与田祐希、朝比奈彩、石川恋、小倉優香が本当に…

「仁義なき戦い 完結篇」感想

仁義なき戦い 完結篇、みた。これも面白かった!広島県警のヤクザ掃討作戦が新たな抗争の火種となり…。微妙に小物感漂う大友=宍戸錠が好きだった。生まれ変わっては死ぬ松方弘樹、そこに居るだけで場を支配してしまう菅原文太!松村=北大路欣也とのバチバ…

「仁義なき戦い 頂上作戦」感想

仁義なき戦い 頂上作戦、みた。面白い!打本組と山守組の抗争は市民を巻き込んだ市街戦に突入し…。このシリーズは常に若者の持て余したエネルギーと、大人たちの欺瞞と、社会の矛盾に対する反撥で出来ている。そして人の命が軽い。終わらない地獄。テンポよ…

「仁義なき戦い 代理戦争」感想

仁義なき戦い 代理戦争、大傑作!村岡組の跡目争いと神戸の権力闘争が複雑に絡み合い…。ヤクザの足の引っ張り合い。山守や打本のタヌキおやじっぷり、そして広能のどっしり構えた存在感。誰がボスになるか、サル山の争いは虚しい。最後に犠牲になるのは若者…

「DASADA」全話感想

DASADA、全話みた。日向坂46主演の学園ドラマ。メンバーの演技が見られればいいやと思って見たら普通に面白かった。これって当て書きなのかな?ある程度本人のイメージに近い配役だけど、意外?にも佐田ゆりあ=小坂菜緒のコメディエンヌがハマってた。高本…

「ディック・ロングはなぜ死んだのか?」感想

ディック・ロングはなぜ死んだのか?みた。うーん、途中から起伏がなくて寝てしまった…終始画面が暗いから見ていて楽しくない。嘘に嘘を重ねて逃げ回るジークとアール。人間誰しも秘密はあるもの。逃げ逃げて逃げまくる、スキャンダルで袋叩きにあう芸能人や…

「3年目のデビュー」感想

3年目のデビュー、みた。けやき坂46結成から日向坂46の躍進までを追うドキュメンタリー。さまざまな苦難を乗り越えて彼女たちが洗練され、プロのアイドルになっていく様がカッコよかった。それでも悩みや葛藤は尽きないのだろうけど。「青春の馬」のくだりは…

「#ハンド全力」感想

#ハンド全力、みた。震災の爪痕残る熊本でSNS受けを狙った画像がバズってしまったマサオたちは成り行きでハンドボール部に入部することになるが…。ちょっぴりビターで冷めた青春映画。素直なスポ根にしないところが面白い。いいねの数を追いかけても最後に残…

「アルプススタンドのはしの方」感想

アルプススタンドのはしの方、みた。誰かを本気で応援し、心の底から「がんばれ」をひねり出すのって、実はものすごく体力と覚悟が要ることなのだと思う。挫折と諦念を乗り越えたとき、はじめてその言葉に熱のこもった想いが乗る。ベンチや客席にいる人間だ…

「大海原のソングライン」感想

大海原のソングライン、みた。5000年前に台湾から太平洋を航海して世界中に散らばった人々。かつて同じ言語や音楽を共有していた子孫たちがセッションを奏でるドキュメンタリー。地域も文化も違うのに同じような楽器を使っているのが興味深い。世界って広い…

「君が世界のはじまり」感想

君が世界のはじまり、みた。これは2020年の「リンダリンダリンダ」であり「台風クラブ」ですね。正直閉塞した地方都市の高校生のお話自体は食傷気味で、これといった目新しさはないかなあ。しかし松本穂香の瞳に注目した演出は好きだ。彼女の魅力の源泉はそ…

「LETO レト」感想

LETO レト、大傑作!1980年代のレニングラード。抑圧された灰色の世界の地下では、西側のロックスターから影響を受けた新たな音楽が誕生しようとしていた…。お行儀よく椅子に座って鑑賞するロッククラブの観客たち、殻を突き破れないもどかしさ。しかし、音…

「i 新聞記者ドキュメント」感想

i 新聞記者ドキュメント、みた。望月衣塑子って面白いキャラしてるなあ。キャリーバッグをガラガラと引きながら永田町を駆けずり回る。高圧的な態度の政治家や政府高官に物怖じせず斬り込む姿はホンモノのジャーナリスト。一方モシャモシャお昼を食べたり、…

「NANA」感想

NANA、みた。この頃の邦画のじめっとした空気感たまらんなあ。新幹線の出会いの愛おしさよ。そしてふたりがステージの上にいるレンを見つめながら手をつないだ瞬間、「これは俺には踏み込めない世界だ」と思った。男女を逆転させてもあの美しさは成立するだ…

「幕末太陽傳」感想

幕末太陽傳、みた。大傑作!あとから知ったが有名な古典落語をベースにしているらしい。チャキチャキと動きまわるフランキー堺を見ているだけで楽しい!幕末史と絡めた死の匂いから逆説的に湧き上がる生の衝動。ここにいる人たちは命を全力で使い果たしてい…

「残穢 - 住んではいけない部屋 -」感想

残穢 - 住んではいけない部屋- をみた。とあるマンションの一室から明かされる穢れの歴史。なるほど、たしかにいま自分が住んでいるところの過去って意外と知らない。どちらかというとミステリー。あまり怖くないし、過去の経緯が複雑すぎて詰め込み感はあっ…

「家族ゲーム」感想

家族ゲーム、みた。これは不条理メリー・ポピンズですね。何処からともなくやって来た三流大の家庭教師。目玉焼きをすする音、食器が重なる音、手のひらが頬を叩く音。すべてがギシギシと耳に響いて不快だ。同じ空間に居ながら関心を示さない家族が最後に陥…