「大海原のソングライン」感想
大海原のソングライン、みた。5000年前に台湾から太平洋を航海して世界中に散らばった人々。かつて同じ言語や音楽を共有していた子孫たちがセッションを奏でるドキュメンタリー。地域も文化も違うのに同じような楽器を使っているのが興味深い。世界って広いな、豊かだなと。それだけでグッとくる映画。
しかし、少々物足りない。もっと音楽や文化の伝来、壮大な人類の歴史を掘り下げてほしかった。これでは世界各国のミュージシャンの単なるコラボPVである。変に色気を出さず、それぞれの島に伝わる楽器の音色を聴かせてくれればよかったのに。むしろセッションのせいで良さが殺されていた。
残念ながらアレンジが〈今風〉なので全部同じ曲に聴こえてしまうのです。伝統を受け継ぐ、自然を守る文化を世界に拡げる、という思想がこの映画にはあるようだが、残念ながらそれぞれのモチーフを表層的につまみ食いしているように見えてしまう。なんか期待してたのと違ったかな〜。若干の肩透かし感。