映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「アナと世界の終わり」感想(ツイッターより再掲)

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アナと世界の終わり、みた。ゾンビ×クリスマス×ミュージカル!負け組高校生が歌と踊りでアポカリプスを逞しく生き抜く。シュールな笑いあり、思ったより豪快なゴア描写あり、そしてホロリと泣かせる仲間たちの絆あり。イヤホンして周囲の混乱に気づかないアナ、ゾンビ狩りの不良グループがお気に入り。

すらっと長い手足で華麗に舞い、軽やかにゾンビを蹴散らす主人公のアナもいいが、やはり銀髪のステフでしょう。少々皮肉屋な態度を見せながら、繊細な一面ものぞかせる。深いキャラ描写があるわけではないが、それぞれに愛嬌のある性格をしていて、これがなかなかいい。

ミュージカルとしては、音楽のパンチが少々弱い(というかセンスがすこし古い?)のと、もっとダンスを見せて欲しかったという気持ちはあるのだけれど、血の海をあまりシリアスに見せず、そこそこテキトーなノリでさらっとミュージカルにしてしまうのがすごい。クライマックスの2曲もいい。

田舎の冴えない高校生たちの前のめりの夢と、鬱屈とした感情が、歌と踊り、ゾンビとの対峙によって清々しく発散されていく。ボーリング場の安っぽい絵面も、見ているうちにだんだん懐かしく、あたたかみある地元の光景に見えてくる。どうせならゾンビも踊ってくれればよかったのにとは思うが。