映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「ファニーとアレクサンデル」感想:家族の崩壊と再生に触れる濃密な5時間

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ファニーとアレクサンデル」について。 「ファニーとアレクサンデル」は、イングマール・ベルイマン監督の作品です。ベルイマンの作品は「夏の遊び」と「野いちご」を見ました。どちらも素晴らしい作品でした。当ブログで…

「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」感想:声を上げればなにかと叩かれがちなこのご時世に

こんにちは。じゅぺです。 今回は「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」について。 「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」は、三木聡監督による音楽コメディです。主演は阿部サダヲと吉岡里帆。作品のテイス…

「バーバラと心の巨人」感想:なぜバーバラは「巨人」を見るのか?

こんにちは。じゅぺです。 今回は「バーバラと心の巨人」について。 「バーバラと心の巨人」は、アメリカのグラフィック・ノベル「I KILL GIANT」が原作の青春ファンタジー映画です。 本作の主人公・バーバラは、一風変わった儀式に傾倒し、周囲から心配の目…

「男はつらいよ 寅次郎夢枕」感想:寅さんの幸せってなんだろう

こんにちは。じゅぺです。 今回は「男はつらいよ 寅次郎夢枕」について。 「男はつらいよ 寅次郎夢枕」は「男はつらいよ」シリーズ第10作目です。 今回のマドンナは八千草薫です。若いですねえ。バツイチの美容師・千代という設定。ちょっぴり漂うくたびれ…

「ひまわり」感想:美しく輝くひまわりに込められた意味

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ひまわり」について。 「ひまわり」は、ヴィットリオ・デ・シーカ監督の描く戦争で引き裂かれた夫婦の物語です。 デ・シーカ監督の作品は「自転車泥棒」と「ウンベルト・D」を見ました。どちらも貧しさや孤独にあえぎ、生…

「実録外伝 大阪電撃作戦」感想:すべてを物語る松形弘樹の「目」

こんにちは。じゅぺです。 今回は「実録外伝 大阪電撃作戦」について。 「実録外伝 大阪電撃作戦」はじっさいに山口組が大阪で起こした抗争・明友会事件をもとに作られたヤクザ映画です。いわゆる「東映ヤクザ映画」ですね。以前から気になってはいたのです…

「霧の波止場」感想:負け犬が見た夢

こんにちは。じゅぺです。 今回は「霧の波止場」について。 「霧の波止場」は1949年公開のフランス映画です。監督はマルセル・カルネ。 なにもかも嫌になっていた脱走兵のジャンが、逃走先の港街で美しい少女・ネリーと出会い、人生のよろこびを知り、生…

「40歳の童貞男」感想:これぞジャド・アパトーのコメディ

こんにちは。じゅぺです。 今回は「40歳の童貞男」について。 「40歳の童貞男」はスティーブ・カレル主演、ジャド・アパトー監督のコメディ映画です。家電量販店で働く冴えない中年男・アンディが主人公。変化のない平凡な毎日に満足していたアンディで…

「用心棒」感想:三船のチャンバラに惚れる

こんにちは。じゅぺです。 今回は「用心棒」です。 黒澤明は「七人の侍」「羅生門」「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」「生きる」あたりは見ました。「どですかでん」はつまらなくて途中でやめてしまいましたが。どれも出てくる人間の欲深さやその愚かさを身近…

「クレイジー・リッチ!」感想:綺麗ごとだけでは終わらない「結婚」と「多文化共生」

こんにちは。じゅぺです。 今回は「クレイジー・リッチ!」について。 「クレイジー・リッチ!」は、苦労して大学教授にまで上り詰めた主人公・レイチェルが、シンガポール1の大富豪の息子・ニックの恋人として彼の実家にあいさつに行き、なにかと敵意むき…

「娘・妻・母」感想:女だけに見える歪で屈折した世界

こんにちは。じゅぺです。 今回は「娘・妻・母」について。 「娘・妻・母」は成瀬巳喜男監督の作品です。主演は原節子と高峰秀子。宝田明や草笛光子、仲代達矢など、そのほかのキャストも非常に豪華です。公開当時大ヒットしたというのも納得です。 本作は夫…

「ザ・プレデター」感想:懐かしの80年代感ただよう娯楽作

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ザ・プレデター」について。 僕は「プレデター」シリーズは第1作の「プレデター」しか見ておらず、それほど熱心なプレデターファンでもありません。しかし、いまどきのハリウッド映画にしては珍しく、悪趣味な人体破壊描…

「クワイエット・プレイス」感想:良くも悪くも一点突破のワンシチュエーション映画

こんにちは。じゅぺです。 今回は「クワイエット・プレイス」について。 「クワイエット・プレイス」は、静寂に支配された人類滅亡後の世界を描くホラー映画です。「音を立てたら即死」というキャッチーな宣伝文句の通り、この世界では音に過剰に反応する盲…

「あと1センチの恋」感想:希望と不安と失望の間で揺れ続ける恋心

こんにちは。じゅぺです。 今回は「あと1センチの恋」について。 「あと1センチの恋」はリリー・コリンズ主演の恋愛映画です。彼女はふとめのナチュラルな眉毛がとってもキュートで、大好きな女優さんです。フィルモグラフィを見ると、意外とそんなにたく…

「愛しのアイリーン」感想:愛は交錯しない

こんにちは。じゅぺです。 今回は「愛しのアイリーン」について。 「愛しのアイリーン」は「ヒメアノ~ル」の吉田恵輔監督の最新作です。前作「ヒメアノ~ル」は大変素晴らしい作品でしたね。V6森田による森田くん(ややこしい)の狂気が凄まじく、度肝を抜…

「寝ても覚めても」感想:朝子の秘密がもたらす緊張感

こんにちは。じゅぺです。 今回は「寝ても覚めても」について。 「寝ても覚めても」は、濱口竜介監督の商業映画デビュー作です。先日レビューした彼の出世作「ハッピーアワー」がとんでもない傑作だったので、相当期待して見に行きましたが、上がりまくって…

「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」感想:犯罪映画の枠で描く「カンニング」

こんにちは。じゅぺです。 今回は「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」について。 「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」は、中国で実際にあった時間をモデルに、高校生による組織的カンニングを描くタイの青春映画です。 カンニングがテーマの映画とはな…

「クリーピー 偽りの隣人」感想:逃げることのできない焦りと絶望

こんにちは。じゅぺです。 今回は「クリーピー 偽りの隣人」について。 「クリーピー 偽りの隣人」は2016年公開のホラー映画です。監督は「CURE」の黒沢清。 彼の作品は去年「散歩する侵略者」を劇場で見ました。じわじわと日常が侵食され、気付いたとき…

「若おかみは小学生!」感想:誰かのために頑張れるということ

こんにちは。じゅぺです。 今回は僕的に2018年ベストに入れたい一本「若おかみは小学生!」について。 「若おかみは小学生!」は青い鳥文庫の人気シリーズの劇場アニメ映画化作品です。ちょうど小学生の頃にこのシリーズにふれた方もたくさんいらっしゃ…

「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」感想:アメリカの輝かしい歴史に隠れた暴力性

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」について。 「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」は"ブロードウェイの父"ジョージ・M・コーハンの伝記映画です。彼は軍歌や国威発揚ミュージカルで名を馳せた自分であり、彼の成功はナ…