映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「アオラレ」感想

アオラレ、みた。煽り運転映画といえばスピルバーグの「激突!」だけど、こちらは世の中への憎悪をたぎらせる凶悪犯。アバンがない方がレイチェル目線の得体の知れなさをこちらも体感できたのではないか。余計に感じてしまった。ラッセル・クロウの車だけマ…

「ぼくらの七日間戦争」感想

ぼくらの七日間戦争、みた。ここで描かれている「嫌な大人」はいまも変わらないな。だけど、この映画には妙な能天気さがあった。廃工場に女子が遊びに来たり、いきなり戦車が出てきたり、無邪気で楽しい要素はたくさんあれど、いちばんのファンタジーはエス…

「地獄の花園」感想

地獄の花園、みた。大爆笑のコメディを期待していたが、どちらかというと「変な映画だなあ」ってニヤニヤするタイプの作品だと思った。広瀬アリスのカッコよさ(と、外から期待されている分だけ悩んでそうなところ)が存分に発揮された映画。永野芽郁はもっ…

「茜色に焼かれる」感想

茜色に焼かれる、みた。交通事故で夫を奪われ、さらにはコロナ禍で店まで失ってしまった良子。尾野真千子のブルースな演技に痺れる。苦しくて仕方ないのに、どうして私は生きるんだろう?この一年で多くの人が抱えた虚無感が描かれている。しかし、理不尽な…

「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」感想

男はつらいよ 翔んでる寅次郎、みた。結婚式がイヤで抜け出してしまったひとみと、彼女を追いかける婚約者の邦夫。俺も旅先で寅さんにばったり会ってみたい。そんで一緒に安宿で酒飲み交わしながら人生の悩みを聞いてほしい。今回は寅さんがサポーターに徹し…

「くれなずめ」感想

くれなずめ、みた。あの頃みたいに大騒ぎできる高校時代の友人。でも、結婚式の余興の準備でないかぎり、ほとんど会わなくなってしまった関係。披露宴と二次会までのあいだの微妙な暇つぶしに、永遠と続くはずように思えた当時の感覚が蘇る。誰かを送り出す…

「クリシャ」感想

クリシャ、みた。息の詰まる映画だった。不安げな顔で妹の家に向かうクリシャを長回しで捉える冒頭。この時点で破局の予感がする。表面上取り繕ってる感じの親戚一同。いやぁ〜、このひと気遣われてんなって笑 途中何度か寝かけたけど、ぎゅっとエネルギーを…

「イエローキッド」感想

イエローキッド、みた。行き場のない貧乏なボクサーと、元恋人に付きまとう気鋭の漫画家。じわじわと暴力が連鎖し、最後は逃げ場がなくなってしまう。うっすらと酸素の薄い映画だった。血生臭くも、どこかポップな印象を受ける。ここには対話のきっかけなん…

「おくりびと」感想

おくりびと、みた。チェリストとして挫折した小林がふるさとに帰り、納棺師として再出発する物語。納棺の一つひとつの作業が美しく、計算されていて、思わずグッと引き込まれる。死者を送り出すのはひとつの節目をつけるためであると同時に、「また会う日ま…

「ジェントルメン」感想

ジェントルメン、みた。いつものガイ・リッチーだった。「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」や「スナッチ」といった初期作を思い出す群像劇。ヒュー・グラントが語り手となって物語を振り返る形式が若干まどろっこしい気もする。オシャレで…

「キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜」感想

キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜、みた。オンライン試写会にて。地下鉄構内でのドローイングから世界へ羽ばたいたアーティストのドキュメンタリー。80年代ニューヨークの文化って、ゴミゴミしていて、猥雑で、しかし、輝いていて、独特の魅…

「バトル・ロワイアル」感想

バトル・ロワイアル、みた。いまや擦りに擦られた設定だけれども、やっぱり面白い。人がバタバタとテンポ良く死んでいく展開は、さながら「仁義なき戦い」のクライマックス。仲良く生き残ろうとしてたのにひとりが青酸カリ盛ったせいで殺し合いがはじまる女…

「キングコング対ゴジラ」感想

キングコング対ゴジラ、みた。ハリウッドのリメイク版を前に予習。ホンモノのタコを特撮に使っているが、案外これがそれっぽく見える。たぶん南の島の描写がだいぶトンチキだからだろう。ゴジラが上陸し、夜行列車を襲う件がおそろしく、本作のハイライト。…

「ピリオド ー羽ばたく女性たちー」感想

ピリオド ー羽ばたく女性たちー、みた。安価な生理用ナプキンの普及により、女性の自立と社会進出を促す、インドの活動家を追う短編ドキュメンタリー。「パッドマン」の現在の話。革命というのは本来、こうやって生活に根差すところから静かにはじまるのだろ…

「パッドマン 5億人の女性を救った男」感想

パッドマン 5億人の女性を救った男、みた。これが2001年にあった実話とは…。いつの時代も世界を変えるのは「異分子」なのだろう。どんなに変人扱いされても信念を貫いた話と言うと聞こえはいいけど。インド社会の恥部や醜いところも隠さず描いている。ちょっ…

「彼方からの手紙」感想

彼方からの手紙、みた。中年男性と少女のしっとりしたロードムービーかと思いきや、思わぬところで堂々としたウソをつく映画だ。車窓に合成される景色、時空間を跳躍し、交錯する運命。カラフルで狭っ苦しい部屋に閉じ込められ、ふたりは踊り狂う。掴みどこ…

「バンコクナイツ」感想

バンコクナイツ、みた。日本人はタイ人を人だと思っていない、タイ人は日本人をカモとしか見ていない。タイの歓楽街に入り浸る男たちと娼婦の物語。うーん、あんまりグッとくるポイントはなかったかなあ。ヌルッと進む抑揚のないストーリーは、明るそうには…

「ミッチェル家とマシンの反乱」感想

ミッチェル家とマシンの反乱、みた。ドタバタコメディながらそこはかとなく漂うアポカリプス感が良い。矢口史靖「サバイバルファミリー」を思い出す。クレしんをポップでカラフルに彩るとこうなるんだろう。前評判ほどズシンと刺さるものはなかったけど、エ…

「遊星からの物体X」感想

遊星からの物体X、みた。通信の途絶えた南極基地で、正体不明の宇宙生物が暴れまわる…。誰が敵かわからず疑心暗鬼になってしまう。まったく気を抜けないのが恐ろしい。クリーチャーがとにかく気持ち悪かった。どういう発想したらあのデザインになるんだ。細…

「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」感想

いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46、みた。レコ大を受賞し、円熟期に入った乃木坂46。アイドルとして頂点に達し、大きな「ドラマ」も見出せない中、監督の選択は「自分がグループを理解しようとする様」を記録すること。大園桃子の発した「…

「隔たる世界の2人」感想

隔たる世界の2人、みた。家に帰りたいだけなのに、警察官に殺されてしまう悪夢をループする。どうしてしてそうなってしまうんだろう、流石にそんなはずない…と言いたくなるが、これはファンタジーではなく現実だ。おそらくこの国のマイノリティが感じている…