映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「わたしの叔父さん」感想

わたしの叔父さん、みた。体の不自由な叔父と暮らすクリス。冒頭10分、セリフがない。最初の言葉は「ヌテラは?」。暴動や移民問題のニュースが流れる「世界」とは、隔絶されたふたりだけの空間。ただ、いまの生活が続けばいいと願うクリス。しかしそこには…

「潔白」感想

潔白、みた。未体験ゾーンの映画たち2021にて。農薬殺人事件の嫌疑をかけられた母の潔白を証明するため、弁護士のジョンインは帰郷するが…。緻密な法廷劇を期待していたので、ちょっと肩透かしを食らった。韓国映画はこの手のテーマでエモーションに振り切り…

「アンコントロール」感想

アンコントロール、みた。未体験ゾーンの映画たち2021にて。デンマークのゲットーでは、警官の暴行事件を機に移民たちの不満が高まっていた。ジェンスとマイクの巡回中、緊張はついに頂点に達し…。デンマーク版「レ・ミゼラブル」ともいうべき、北欧映画特有…

「二十四の瞳」感想

二十四の瞳、みた。瀬戸内海のカラッとした青空が、陰惨な戦争の記憶をやさしくも残酷に包みこむ。大石先生が子どもたちを引き連れてたのしげに歌う様は「サウンド・オブ・ミュージック」を思い出す。女性」の視点から戦争を切りとった作品、と捉えることも…

「聖なる犯罪者」感想

聖なる犯罪者、みた。神父を夢見る前科者のダニエル。転がり込んだ教会で司祭のフリを始め、村人の信頼を買い取っていくが…。危ういならず者にも、イノセントな神の使いにも見える、ダニエルの瞳。この脆くも暴力的な佇まいが、強烈に魅力的。「幸福なラザロ…

「ライアー×ライアー」感想

ライアー×ライアー、みた。家の間取りがいい。広めの玄関と、小さな踊り場のある階段。家の中で「うっかり会ってしまう」空間に、物語がある。ギャルメイクした血の繋がっていない姉に弟が恋する。そんな無理のあるシナリオを、なんとか実写の世界観に引き寄…

「あの頃。」感想

あの頃。みた。あやや全盛期のハロプロオタクの青春を期待すると少々物足りない。あくまで仲間たちの集うキッカケでしかないので。しかし、劔の抱える「アイドルオタクであること」への漠とした不安や、ファンダムの痛々しさ、あの距離感の居心地良さと危う…

「見知らぬ乗客」感想

見知らぬ乗客、みた。面白かった。とにかくシンプルで無駄がない。序盤、ブルーノが遊園地で殺人を犯すシーン!子どもの風船をタバコの火で割り、ガイの妻をボートで追う。さらにテニスの試合中、一人だけボールを追わずこちらをじっと見つめるブルーノ!狂…

「男はつらいよ 噂の寅次郎」感想

男はつらいよ 噂の寅次郎、みた。気分が晴れないときは寅さんを見るに限る。「今昔物語」の無常感から導入される本作。何より儚げな色気を放つ大原麗子!すごくきれいな女優さんだと思って調べたらもう亡くなってるんですね。お弁当かきこむ場面がかわいい。…

「ニセコイ」感想

ニセコイ、みた。少女マンガ原作映画は好きでよく見るが、これほど最初から最後までうっすらスベるような作品も珍しいのではないか。エピソードの羅列のような脚本。それでいて妙なところに跳躍がある。アイドル映画ならせめて演者を魅力的に撮ってほしいと…

「ファーストラヴ」感想

ファーストラヴ、みた。なぜ環菜は父を殺害したのか?真実に迫るにつれて暴かれていく、男たちの女性を消費する「目」。芳根京子がとにかくすごかった。体しか見ない男への恐怖や怒り、だれも声に耳を傾けてくれないという諦め。彼女の苦しみを思うと胃酸が…

「希望のかなた」感想

希望のかなた、みた。面白かった。初めてのアキ・カウリスマキ作品。シリア難民のカーリドと、レストラン経営をはじめたヴィクストロム。ヘイト渦巻く世の中であっても、みんなで助けあう、いい意味でテキトーに生きる。ドライな笑いのなかに、ただ優しいだ…

「すばらしき世界」感想

すばらしき世界、みた。人生の大半を塀の向こうで過ごした男が、再出発に挑んでいく。三上の根の真っ直ぐさとその裏返しの危うさ。そして彼を向き合う周りの人々。面倒も多い三上を見捨てず、テレビディレクター、スーパーの店長、役所の担当者。しかし、決…

「哀愁しんでれら」感想

哀愁しんでれら、みた。白馬に乗った王子様ならぬ外車に乗ったお医者様。しあわせな結婚を生活を送るはずの小春だったが…。露悪的な展開には既視感があり、新鮮さはなかったのだが、好感度高めの田中圭と土屋太鳳が狂った役にチャレンジするのはいい。また、…

「ザ・ライダー」感想

ザ・ライダー、みた。サウスダコタに生きる現代のカウボーイの物語。事故で頭に大怪我を負ってもなお諦めきれないロデオへの想い。人と馬しかいないサウスダコタの静かな平原、そして、まるで日が昇る前のような暗さの空。葛藤するブレイディの心のうちを反…

「樹海村」感想

樹海村、みた。恐怖を期待すると肩透かしだが、ぜひ樹海を舞台にしたファンタジーホラーとして見てほしい。CGも気合入っている。実質主演の山口まゆに演技の幅を感じた。山下リオはホラー映えする。そして山田杏奈。下手な人がやればつまらない役になるとこ…

「幸福なラザロ」感想

幸福なラザロ、みた。社会から隔絶された農村で暮らしていたラザロが、とある事件を経て、数十年ぶりに現代に「復活」する…。ふしぎな映画だ。平衡感覚をうしなった。はじめは時代背景がわからず、いったいこれは何の話なのだろうかと。それが「聖人」として…

「名も無き世界のエンドロール」感想

名も無き世界のエンドロール、みた。意外にも堅実なミステリー。ほとんど冒頭でオチまでの展開が読めてしまうのだが、意外と楽しめた。新田真剣佑のうさん臭さを活かしたお話だ。しかし「ラスト20分の衝撃」のキャッチコピーは完全に余計。安直にこういう煽…

「ヤクザと家族 The Family」感想

ヤクザと家族 The Family、みた。うーん、藤井道人作品は相変わらずハマらない。没落していくヤクザの世界で、それでも居場所を求める男の二十年を描く。しかし、肝心のヤクザの世界が紋切り型だ。はたして作り手は彼らに関心があるのだろうか?すべてが予想…