映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「女は二度生まれる」感想

女は二度生まれる、みた。傑作。廃れ行く花柳界に生きる小えんは筒井の二号になることを決意し…。さまざまな男と出会い、それぞれにちがう顔を見せる小えんの奔放さ!若尾文子の色気にやられる。舌ったらずなしゃべり方に残る少女っぽさもいい。背景には戦争…

「宮本から君へ」感想

宮本から君へ、みた。傑作。泥臭くて、ダサくて、プライドが高くてとにかくめんどくさい男。最後まで負け続き。もがいて暴れて苦しんで、虚しさと共に噛みしめる戦いの結果の味。俺、ここまで自分の人生に真剣になったり、必死になったりしたことないなあ。…

「特捜部Q Pからのメッセージ」感想

特捜部Q Pからのメッセージ、みた。超絶大傑作!海辺に流れ着いた「助けて」の手紙。送り主のPはすでに死亡していて…。猟奇的かつ陰鬱な雰囲気はパワーアップ。シリーズを通して描かれる罪深き人間たちの因果と救いに加え、本作では「信仰」がカギに。犯人が…

「ペット2」感想

ペット2、みた。飼い主の目を盗んでニューヨークを大冒険するマックスたち。今回も安定のドタバタコメディ。ただ新キャラの魅力が薄く、子ども向け色が強いように感じた。マックスたちの子どもへのまなざしが親のようにも、兄のようにも見えて、とても愛おし…

「ANIMA」感想

ANIMA、みた。トム・ヨーク×ポール・トーマス・アンダーソン。社会に取り込まれることへの抵抗、色彩のない景色でひとり輝く女性との出会い、そして突然訪れる終わりの儚さ。これは孤独との戦いだと思う。浮遊するようなコンテンポラリーダンスの動きは夢の…

「無法松の一生」感想

無法松の一生、みた。荒くれ者の人力車夫を勝新太郎が演じる。すこし喧嘩っ早いけど義理堅くて茶目っ気のある男。ひそかによし子に想いを寄せつづけるピュアさ。「ワシの心は汚ねえ」って。松五郎は最後までそういう人だったのだ。祇園太鼓の躍動!肉付きの…

「ジャズ大名」感想

ジャズ大名、みた。なんだこれ!楽器抱えて流れ着いた黒人たちが、維新の風に追い詰められた大名とジャズセッションを繰り広げる。後半30分の狂騒が凄まじい。音楽さえあればええじゃないか!といわんばかり。汗のにおいこもる熱気の背景に見え隠れする血な…

「赤線地帯」感想

赤線地帯、みた。傑作。売春防止法に揺れる「夢の里」の女たちを描く。お金のために体を売る。男は身勝手で頼りない。けど、一度家庭に入ってしまったら、もう仕事なんてない。これしか生きるすべがないのだ。そんな中でもひとり狡猾に立ち回り、若さと美し…

「ぼくとアールと彼女のさよなら」感想

ぼくとアールと彼女のさよなら、みた。グレッグは親に同級生の白血病の女の子の話し相手になることを命じられ…。こじらせ映画オタクの青春。ひねくれた世界観に笑い、すれちがう優しさに涙する。病室で映画を見るレイチェルの目に、ぎゅっと胸を締め付けられ…

「特捜部Q キジ殺し」感想

特捜部Q キジ殺し、みた。カールとアサドが20年前の双子殺害事件を追う。前回にも増して陰惨かつ猟奇的。罪をつぐなうこと、因果の連鎖から抜け出すこと。真相にたどり着いても誰も幸せになれない。禍々しい炎が強烈に目に焼き付いている。ただ、二人の関係…

「特捜部Q 檻の中の女」感想

特捜部Q 檻の中の女、みた。傑作!デンマーク版「相棒」の趣。特に初期のイメージに近い。窓際部署の二人が未解決事件に挑む。それぞれが心に傷を負っている。どうしようもない不幸の連鎖の果てに差す希望の光。ただ事件を解決するだけでなく「救い」がある…

「ブギーナイツ」感想

ブギーナイツ、みた。70年代ポルノ業界の光と影を描く。初々しく生意気なM・ウォルバーグが最高。PTA作品は調子に乗った人間がとにかく痛い目にあうから好き。ジョン・C・ライリーにF・シーモア・ホフマン、ウィリアム・H・メイシーなど一癖も二癖もある脇役…

「五億円のじんせい」感想(ツイッターより再掲)

五億円のじんせい、みた。募金によって救われた人生に重荷を感じた望来は「旅」にでる。感動の消費、善意は絶対という空気…現代社会に批判の目を向けつつ、それでも温かく、しあわせな気持ちになれるのは、この世界はまだやさしさにあふれていると思えるから…

「卓球温泉」感想(ツイッターより再掲)

卓球温泉、みた。ラジオで焚きつけられて家出した専業主婦が、訪れた先の温泉街を変えていく。ウェルメイドな人情コメディ。心が疲れたら、まずは温泉に浸かろう。永遠に終わらないラリーに、男と女の未来と、夫婦の築きあげてきた愛を見る。汗だくで息切ら…

「天気の子」感想(ツイッターより再掲)

天気の子、みた。雨が降り続く東京で出会った帆高と陽菜。居場所のないふたりにとって、この世界の運命は優しくないかもしれない。そんな世界なら、いっそ…。「君の名は。」の変奏であり、新海監督の新たな境地への冒険でもある作品。ビジュアルはパンチに欠…

「青空娘」感想(ツイッターより再掲)

青空娘、みた。超絶大傑作!高校卒業を機に東京へ帰ってきた有子だったが、妾の娘としていじめられ…。若尾文子のキュートさとハリのある若さに彩られたみずみずしい作品。彼女の笑顔は青空のように爽やか。悲惨な境遇でも涙ひとつ流さず前向きに頑張る様がと…

「最高殊勲夫人」感想(ツイッターより再掲)

最高殊勲夫人、みた。超絶大傑作。同じ家の同じ兄妹どうし、三度目の結婚は避けたいと誓い合った三郎と杏子だったが…。とにかく怒涛のテンポで魅せる最高のラブコメ!川口浩と若尾文子のかけあいがリズミカルでたのしい。トンカツむさぼる同僚の女が良い笑 …

「デジタルタトゥー」感想(ツイッターより再掲)

デジタルタトゥー、みた。犯罪歴の暴露、ネットリンチ、リベンジポルノ…タイムリーなテーマから現代社会のあり方を問う。高橋克己と瀬戸康史は名コンビ!世代間ギャップから生まれる笑いと緊張。「みんなちょっとずついい人で、ちょっとずつ悪い人なんだ」と…

「咲 -Saki-(ドラマ)」感想(ツイッターより再掲)

咲 -Saki-、みた。低予算深夜ドラマ特有のぬるっとした質感。麻雀知らないのでわりと意味不明だが、浜辺美波と山田杏奈見られたのでよし。全4話のうち2話を部長による強制無賃労働に割く。しかし咲は主人公のわりにキャラ薄い気が。部活青春モノっぽい立て…

「緑の光線」感想(ツイッターより再掲)

緑の光線、みた。退屈なバカンス。いい男が現れればいいのに。ひとりでいるのは寂しいけど、誘われても二言目には「私はいいや」。受け身じゃダメだとみんなは言う。じゃあ私は何をすればいいわけ?文句言うのに自分で動かないデルフィーヌと自分を重ねてし…

「アマンダと僕」感想(ツイッターより再掲)

アマンダと僕、みた。テロで母を失ったアマンダと彼女を引き受けることになったダヴィッド。時間はゆっくりと流れていく。あたたかいフィルムの質感が平凡な日常と突然の喪失を、残酷かつ穏やかに繋いでいく。まだ終わりじゃない。よろこびも悲しみも一緒に…

「ブエノスアイレス」感想(ツイッターより再掲)

ブエノスアイレス、みた。香港から地球の裏側の街でなんども「やり直そう」とするファイとウィン。カビ臭くて埃っぽいアパートの一室でダンスの練習をする二人の姿が切なくも美しい。恋か、それとも執着か。愛想尽かしながらも離れられない。繰り返される、…

「ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ」感想(ツイッターより再掲)

ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ、みた。RAPゾンビが大量発生した世界を描くコメディ。「恋人がラッパーなんて恥ずかしい」はひどい笑 ほどよくくだらなくて笑える内容。生前の執着がゾンビ化後も出てしまう感じは「アイアムアヒーロー」っぽい。…

「幸色のワンルーム」感想(ツイッターより再掲)

幸色のワンルーム、みた。生きる意味を求めてさまよう誘拐犯と少女を描く。散々叩かれて関東では放送されなかった作品。誘拐を美化しているとは思わないが、テーマのあつかいが安直に感じたのも事実。しかし、山田杏奈は輝いていた。ひとつ一つの表情が重く…

「トイ・ストーリー4」感想(ツイッターより再掲)

トイ・ストーリー4、みた。アンディのもとを離れ、ボニーのオモチャになったウッディたちの最後の冒険。時代遅れのカウボーイとゴミから生まれたフォーキー、そして自由に生きるボー。オモチャとしての枠を超え、彼らのアイデンティティに迫る。前作に思い入…

「ネバーエンディング・ストーリー」感想(ツイッターより再掲)

ネバーエンディング・ストーリー、みた。いじめられっ子が出会う、夢にあふれた大冒険の物語。岩食い男や白い龍・ファルコンなどインパクト抜群のキャラが最高。表情豊かなアニマトロニクス?も生々しさがあっていい。アトレーヌがスフィンクスの門をくぐる…

「凪待ち」感想(ツイッターより再掲)

凪待ち、大傑作。愛する女性を失ったギャンブル依存症の男の絶望と再生。競輪で有り金ぜんぶ溶かし、酒におぼれ、気づけば喧嘩で血まみれに。なんども同じ失敗を繰り返す自己嫌悪。地獄から抜け出せない。息苦しい。それでも、すべてを飲み込んだ東北の海が…

「ギルガメッシュ叙事詩を大幅に偽装して縮小した、フナー・ラウスの局長のちょっとした歌、またはこの名付け難い小さなほうき」感想男はつらいよ 寅次郎子守唄、みた。旅先で男に赤ん坊を押し付けられた寅さんが柴又に帰ってくる。マドンナの前でだけ子ども好きのフリをする、そのあまりの勝手さに笑ってしまう。相変わらずいい加減な男だが、そんな彼を支えるとらやのみんなの優しさに心打たれるのだ。最後の寅さんの笑顔が美し

ギルガメッシュ叙事詩を大幅に偽装して縮小した、フナー・ラウスの局長のちょっとした歌、またはこの名付け難い小さなほうき、みた。小さな窓から覗く、穴に手を入れて探る、布で包んで縛り付ける…フェティッシュな所作が印象的。ポコポコと棒で殴る姿はキュ…

「Diner ダイナー」感想(ツイッターより再掲)

Diner ダイナー、みた。平凡な少女・カナコは闇組織に身売りされ、殺し屋専用ダイナーで働くことに…。玉城ティナが最高。弱々しく怯える姿も、意志を貫く凛とした目つきもすばらしい。豪華俳優陣の変顔絶叫運動会においてむしろ堂々としている。毒々しい「サ…

「南瓜とマヨネーズ」感想(ツイッターより再掲)

南瓜とマヨネーズ、みた。傑作。ヒモのバンドマンとキャバクラで生活費を稼ぐ女。台所にはゴミ袋が積まれ、ベッドのシーツはいつも皺だらけ。ダメなままでいられたら幸せなのに。閉塞感の中でもがき、いつまでも思い出にすがって未練たらたらで、なかなか前…