映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「真・鮫島事件」感想

真・鮫島事件、みた。楽しいはずのリモート飲みが地獄と化す!いち早くコロナ禍を取り入れたホラー。画面の向こうの友だちがどんどん消えていく…。主人公が帰宅してマスクを外すまでのジトッとした恐怖、POVホラーをベースにつつ、終盤はでステージを攻略す…

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」感想

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY、面白かった。悲惨な境遇の人間がたくさん出てくるのに一切湿っぽくならず、最初から最後までポップでカラフルな世界観を貫いているのが良い。軽妙であるべき会話劇はテンションがヌルッとしていて失敗してい…

「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編、みた。汽車を支配された対エンム戦の激しさもさることながら、上弦の月と柱のラストバトルは壮絶だった。ザック・スナイダー映画のようだ。炭治郎を待ち受ける運命の過酷なことよ。最後は「ありがとう 悲しみよ」って言えるよ…

「無聲 The Silent Forest」感想

無聲 The Silent Forest、みた。東京フィルメックスコンペ作品。台湾の聾唖学校で起こった事件をもとに、閉鎖空間で起こる性被害の連鎖を描く。事前に聞いてはいたが、とってもストレスの強い映画だった。ここ以外に居場所がないから、事を荒立てたくなくて…

「死ぬ間際」感想

死ぬ間際、みた。東京フィルメックスコンペ作品。アゼルバイジャンの荒野を彷徨する男が、行く先々で出会った女たちを死によって解放=救済していく。彼は天使か、それとも死神か。乾いた笑いと共に詩的に語られるエピソードの数々に見応えはあるものの、い…

「アスワン」感想

アスワン、みた。東京フィルメックスコンペ作品。ドゥテルテ政権下のフィリピンで、警察による「超法規的殺人」に苦しめられる市井の人々を追うドキュメンタリー。警察がろくに捜査もせず無実の人を殺し、釈放と引き換えに金銭を要求する世界。これが現実だ…

「ニンゲン合格」感想

ニンゲン合格、みた。10年の昏睡から覚めた青年が失われた家族の絆を求めて奔走するが、いまわの際に側にいたのは赤の他人のおっさんだった。生きているのに彼岸と志願を意識させる絵作り、その帰結としての葬式。船の沈没をテレビで知る場面は、なるほど「…

「ジオラマボーイ・パノラマガール」感想

ジオラマボーイ ・パノラマガール 、みた。原作誕生から32年間の東京の顔が多層的に折り重なり、コロナ後のいま異様なパラレルワールドに映る。たとえ「世界」に終わりがやって来たとしても、リビングの電球は変えなきゃいけないし、17歳の誕生日はやって来…

「詩人の恋」感想

詩人の恋、みた。妻と妊活に励む売れない中年詩人・テッキはある日を境にドーナツ屋の青年に惹かれ始め…。うーん、人を好きになるって勝手なことなのだなあ。「詩人とは人の代わりに悲しんで泣いてあげる人」とヤンは言う。彼の情けなくも優しい猫背に、残酷…

「ドクター・デスの遺産 BLACK FILE」感想

ドクター・デスの遺産 BLACK FILE、みた。予告編は面白そうだったんだけどなあ。安楽死をテーマにしながらすべてが定型的。開始30秒で終盤までの展開が読めてしまう(誇張ではない)。綾野剛も紋切り型のキャラを職人的に演じるに終始し、北川景子に至っては…

「罪の声」感想

罪の声、みた。丁寧に証拠を積み上げ真相に近づく序盤は素晴らしく、星野源と小栗旬が交わるところまでは傑作の予感だったけど、以降、どんどん失速していく…。大きな力に押し流されてしまいそうな「声」への態度は、これまで野木亜紀子が描いてきた物語とも…

「とんかつDJアゲ太郎」感想

とんかつDJアゲ太郎、みた。これは優秀な「渋谷映画」ですね。道玄坂から円山町まで見覚えのある景色の数々。下北沢や吉祥寺など井の頭線沿線舞台の作品は多くあれど、あのエリアを下町っぽく描くの初めてみた。オフビートな前半は山下敦弘、DJに目覚める以…

「朝が来る」感想

朝が来る、みた。不妊治療の末に男の子を養子に迎えた夫婦と、中学生で子どもを産み手放さざるを得なかった母の話。永作博美、井浦新、蒔田彩珠の繊細かつどっしりと重みのある演技は素晴らしいけど、それだけで物語は駆動できないだろう。申し訳程度のミス…

「ウルフウォーカー」感想

ウルフウォーカー、みた。人間とオオカミの対立のあいだで揺れるふたりの少女の物語。「ブレンダンとケルズの秘密」「ソング・オブ・ザ・シー」からさらに進化した映像美。光の演出や画面分割など新しい要素多数。お話は「もののけ姫」を超えないが、映画館…

「パピチャ 未来へのランウェイ」感想

パピチャ 未来へのランウェイ、みた。イスラム原理主義が台頭する90年代アルジェリアを舞台に、ファッションで抑圧に争う女性を描く。彼女たちの闘いとは、無闇な孤立でも、他者への攻撃でもなく、仲間をつくり団結することだ。「無知な人々が宗教を盾に暴走…

「空に住む」感想

空に住む、みた。両親を失い、親戚のタワマンに住む小早川は、人気俳優の時戸が住人であると知るが…。岩田剛典がエロい!「オムライス作れる?」でエレベーターで出会った女性の家まで上がり込む一連の流れに説得力を持たせられるのは彼しかいないだろう。天…

「透明人間」感想

透明人間、みた。1954年公開東宝版。1933年ジェイムズ・ホエール監督版は悲しきモンスター扱いだったのに対し、こちらは旧日本軍の人体実験の生き残り&ピエロに仮装してヒーロー的立ち回りを見せる。化粧を落として透明になったり、粉の上に足跡できたり、…

「薬の神じゃない!」感想

薬の神じゃない!、みた。高額な白血病治療薬に苦しむ患者を救うため、ジェネリック薬の密輸に手を染める薬屋の物語。眠気がすごくて拾いきれてない箇所多数だが…面白かった。笑って、泣けて、考えさせられる。ハリウッド映画の供給が滞る中、ウェルメイドな…

「彼女は夢で踊る」感想

彼女は夢で踊る、よかった。閉館間際のストリップ劇場。支配人の木下は迫るラストステージを前に、とある踊り子との思い出を回想する…。分厚い鉄の扉の先に広がる幻想の世界、じりじりと命を燃やしながら舞うストリッパーの美しさよ。場所の記憶をめぐる映画…