「ドクター・デスの遺産 BLACK FILE」感想

ドクター・デスの遺産　BLACK FILE、みた。予告編は面白そうだったんだけどなあ。安楽死をテーマにしながらすべてが定型的。開始30秒で終盤までの展開が読めてしまう（誇張ではない）。綾野剛も紋切り型のキャラを職人的に演じるに終始し、北川景子に至っては２時間飽きもせず同じ表情。うーん…。

みんな何考えてるかわからないんですよね。主人公がとある場面で自分の境遇を吐露するんだけど、それ絶対いまじゃないでしょと。刑事も犯人も観客の思考の２周遅れぐらいのところをウロウロするので、フラストレーションが溜まる。どうしてみんな自分から弱みを見せるんだ？脇が甘すぎる。

北川景子の演技は返金を要求したいレベルだが、銃を構える姿の美しさには感動した。髪が乱れてもカッコいい。あとラストカットの一連の芝居も良かった。引きで見るとスタイルいいし映える。正直、居酒屋でクダまくコント以下の芝居をやらせるぐらいなら、もっといい見せ方あったのではと思ってしまう。

たぶんだけど北川景子は変にシリアスな役をやらせるより、デフォルメされたコメディの世界に放り込んだ方が面白い気がする。基本的に俺の好みがお笑い寄りというのもあるけど。名前は伏せるが「ドクター・デス」の俳優は良かった。廊下の先に立ってるカットの死神感！キャラ造形は浅かったが…。