映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「人狼」感想:Netflixオリジナル映画の凡庸さ

こんにちは。じゅぺです。 今回は「人狼」について。 「人狼」は、押井守監督の同名映画の韓国版リメイク作品です。監督はキム・ジウン。 押井守監督の作品も、キム・ジウン監督の作品もほとんど触れたことがないので、今回の「人狼」は完全に一本のオリジナ…

「日本のいちばん長い日」感想:顔の見えない「天皇」について

こんにちは。じゅぺです。 今回は「日本のいちばん長い日」について。 「日本のいちばん長い日」は、8月14日の御前会議と、玉音放送妨害を企てる陸軍将校を描く歴史映画です。 終戦70周年記念で公開された役所広司主演のリメイク版は映画館で見たのですが、…

「河内カルメン」感想:若い身体の一瞬の輝き

こんにちは。じゅぺです。 今回は鈴木清順監督「河内カルメン」について。 「河内カルメン」は田舎生まれの少女が甲斐性のない男たちに振り回されながら「女の出世街道」を歩んでいく…というお話です。鈴木清順監督の作品は「東京流れ者」と「けんかえれじい…

「ジョイ」感想:肝っ玉母ちゃんの奮闘記

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ジョイ」について。 「ジョイ」は、女手ひとつで家を切り盛りする「肝っ玉母ちゃん」のジョイが、家庭用品販売の実業家として成功するまでを描く伝記映画です。デヴィッド・O・ラッセル監督では「世界にひとつのプレイブ…

「死刑執行人もまた死す」感想:当時の観客はなにを思ったのだろう

こんにちは。じゅぺです。 今回はフリッツ・ラングの作品「死刑執行人もまた死す」の感想です。 「死刑執行人もまた死す」は、ナチス支配下のプラハでゲシュタポに追われるレジスタンスを描く戦争映画です。第二次世界大戦真っ只中の1943年に作られているせ…

「ラルジャン」感想:一瞬の無駄のない完璧な87分間

こんにちは。じゅぺです。 今回はロベール・ブレッソンの遺作「ラルジャン」の感想です。 ロベール・ブレッソン監督といえば、独自の理論に基づき構築された静謐かつ無駄のない演出が特徴的でしょう。未読ですが、彼の映画論が記された「シネマトグラフ覚書…

「惑星ソラリス」感想:胸に澱む後悔と向き合いながら

こんにちは。じゅぺです。 今回はタルコフスキー監督の名作「惑星ソラリス」について。 「惑星ソラリス」は、知性を持つ海によって作られた亡き妻ハリーの「複製」と出会ったクリスが、科学者として愛情と倫理の間で揺れ始める様を描くSF映画です。 「20…

「バイス」感想:リアル「ハウス・オブ・カード」の世界

こんにちは。じゅぺです。 今回はアダム・マッケイ監督最新作「バイス」について。 「バイス」は、「史上最強の権力を持った副大統領」と呼ばれ、ブッシュ政権を陰で操り、イラク戦争を煽動したといわれるチェイニー副大統領の半生を描く伝記映画です。監督…

「ひなぎく」感想:若さと美を兼ね備えた「最強」姉妹

こんにちは。じゅぺです。 今回はチェコ・ヌーヴェルヴァーグの代表作「ひなぎく」について。 「ひなぎく」は、無軌道に生きる二人のマリエを描く旧チェコ・スロヴァキアの映画です。日本では90年代に「女の子映画」として人気を博しました。旧共産圏独特…

「スリ 」感想:物語る「手」

こんにちは。じゅぺです。 今回はロベール・ブレッソン監督作品「スリ」について。 「スリ」は、スリにのめり込んでいく青年ミシェルと、彼の母のアパートの隣室に住むジャンヌが、恋に落ち惹かれあっていく様を描く作品です。冒頭に「これは刑事物ではない…

「雨月物語」感想:欲望に忠実に生きるということ

こんにちは。じゅぺです。 今回は「雨月物語」について。 「雨月物語」は上田秋成の読本を原案に、欲望に翻弄される人々を描いた溝口健二監督の作品です。溝口作品を見るのははこれが初めてです。 「雨月物語」はあらすじだけを追ってみると「まんが日本昔ば…

「ゾディアック」感想:凶悪事件に対する一途な片思い

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ゾディアック」について。 「ゾディアック」は実際の未解決事件を題材にしたサスペンスです。監督はデヴィッド・フィンチャー。「ソーシャル・ネットワーク」は僕のオールタイムベストの一本です。独特の青く冷たい映像の…

「溺れるナイフ」感想:むき出しの自我の衝突

こんにちは。じゅぺです。 今回は「溺れるナイフ」について。 「溺れるナイフ」は、ジョージ朝倉による同名少女漫画を、小松菜奈と菅田将暉のダブル主演で実写化した作品です。監督は山戸結希。正直菅田将暉はあまり好きではない(ガチャガチャしていて騒が…

「レゴ・ムービー2」感想:父との和解の「その後」

こんにちは。じゅぺです。 今回は「レゴ・ムービー2」の感想です。 「レゴ・ムービー2」は人気玩具レゴ・ブロックを題材にした傑作アニメ「レゴ・ムービー」の続編です。前作に引き続きフィル・ロードとクリストファー・ミラーのコンビが製作と脚本を担当…

「ブロードウェイ・メロディー」感想:MGMミュージカル草創期の作品

こんにちは。じゅぺです。 今回は第2回アカデミー作品賞受賞作品「ブロードウェイ・メロディー」のレビューです。 「ブロードウェイ・メロディー」は、レビューのスターを目指すマホーニー姉妹の物語です。 正直、この作品の価値は歴史的な意義が大きいと思…

「ULTRAMAN」感想:ウルトラマンネクサスの思い出

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ULTRAMAN」について。 「ULTRAMAN」は2004年当時円谷が企画していた連動プロジェクトの第1弾として公開された劇場版作品です。「ウルトラマン」第1話の舞台を現代に置き換えて再解釈した内容になっています。この後…

「アリス・イン・ワンダーランド」感想:ミア・ワシコウスカに注目

こんにには。じゅぺです。 今回は「アリス・イン・ワンダーランド」の感想を書きます。流し見だったので、ちょっぴり中身は薄めです。 「アリス・イン・ワンダーランド」は「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」をベースにしたアリスの冒険ファンタジ…

「バンブルビー」感想:スピルバーグ正統進化系

こんにちは。じゅぺです。 今回は「トランス・フォーマー」シリーズ最新作「バンブルビー」の感想です! 「バンブルビー」は父の死を受け止めきれない少女チャーリーと記憶を失ったバンブルビーが寂しさを埋め合う中で「本当の自分」と出会うまでを描きます…

「切腹」感想:「武士道」の欺瞞を暴く

こんにちは。じゅぺです。 今回は小林正樹監督の時代劇「切腹」の感想です。 「切腹」は、幕府による支配で「武士道」が失われた世を描いています。シンプルなタイトルの通り、物語は戦国時代の武士たちが大事にしていた切腹をめぐる騒動を中心に展開します。…