映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」感想

マンチェスター・バイ・ザ・シー、超絶大傑作!死んだ兄の息子の後見人になったリー。ふたりの奇妙な同居生活がはじまる。この男は何のために、何に幸せを感じて生きているのだろうかと考える。どうあがいても癒えない傷はある。それでもあしたの先を想像で…

「わたしは光をにぎっている」感想

わたしは光をにぎっている、超絶大傑作!長野から上京した澪は身を寄せた銭湯を手伝い、苦労しながらも街に馴染んでいくが…。街並みは激しく移り変わり、先人たちの生きた証は上塗りされていく。それでも、人びとの営みとその温もりは永遠なのだ。 家から駅…

「友だちのうちはどこ?」感想

友だちのうちはどこ?、超絶大傑作!間違えて持ち帰ってしまったノートを返すため、友だちの家を探しまわるアハマッドの冒険。ただ、それだけ。なのにめちゃくちゃ面白い!子どもの見る世界ってこんなにも広く、そして狭いのか。大人は口うるさい、力で押さ…

「ふたりの人魚」感想

ふたりの人魚、みた。瓜二つのメイメイとムーダン、二人を追う男の物語。ゴミと排水で汚れた蘇州河が、発展途上の上海を見守る。移ろいゆく水の流れといつかやって来る別れの予感。ねっとりした湿気と熱のこもった臭い、妖しげなネオン、ふたりの人魚に向け…

「超・少年探偵団NEO Beginning」感想

超・少年探偵団NEO Beginning、みた。明智小五郎と小林少年の子孫が10年ぶりに姿を現した怪人二十面相に挑む。ミステリーを名乗るには弛緩した内容。小夜役の堀田真由が超絶かわいい。芳狼くんガチ恋オタクと化した二十面相に爆笑。佐野岳のアクションもあり…

「イエスタデイ」感想

イエスタデイ、みた。ある日突然自分以外だれもビートルズの存在を知らない世界になってしまったら…。D・ボイル × R・カーティスのタッグ。あふれる優しさと多幸感に浸る。L・ジェームズが最高にキュート。ビートルズがいない世界は退屈だ。でも、あなた…

「解放区」感想

解放区、みた。ドキュメンタリーを撮るべく釜ヶ崎を訪れたスヤマが、次第にこの土地の暗部に足を踏み入れ…。〈釜ヶ崎の現実〉を覗き見る。いくら綺麗事を並べてもそこには他人の生活にドラマを求め、土足で踏み荒して「語った」気になるナルシズムと軽薄さが…

「楽園」感想

楽園、みた。Y字路で起きた少女失踪事件から始まる村の悲劇。社会から見捨てられ、居場所を失った人びと。どこかにわかりやすい悪人がいて、そいつを懲らしめて全てすっきり終わればいいけど、現実はそう簡単ではない。生きている限り絶望を背負い込まなけれ…

「第七の封印」感想

第七の封印、みた。十字軍から帰還した騎士と悪魔の対話。黒死病への恐怖で狂乱する民、磔刑に処される魔女、無知な旅芸人の家族…。生と死、神と悪魔の対立を象徴するかのように光と陰のコントラストが強烈。神は実在するのか?疑った瞬間、神はその人に微笑…

「フランケンシュタイン」感想

フランケンシュタイン、みた。傑作!人類の過ちとして創り出された怪物。虚ろな目と2mはありそうな図体は、そこにいるだけで人びとに恐怖を与える。本気で気持ち悪い!だけど、何がなにやらわからぬうちに美しいものを傷つけ、混乱のまま風車ごと焼き殺され…

「スペシャルアクターズ」感想

スペシャルアクターズ、みた。何でも屋の俳優事務所がカルト宗教団体に潜入する。「カメ止め」上田慎一郎監督最新作。前作ほどの勢いはなく、あいかわらず似たような内容だけど、個性的なキャラクターたちは魅力的で愛せる。流行りや知名度ではなく、無名な…

「旅路の果て」感想

旅路の果て、超絶大傑作!元俳優たちが集う南仏の養老院。女を生贄に若さを保つサンクレール、妻を奪われ落ちぶれたマルニー、一度も舞台に立つことがなかった代役俳優のカブリサード。俳優は常にスポットライトも求めるわがままな生き物。失意と絶望の中で…

「男はつらいよ 葛飾立志篇」感想

男はつらいよ 葛飾立志篇、みた。今回は〈学ぶ〉とは何か。それは己を知ることだともっともらしく寅さんは言う。礼子さんが先生になった途端やる気になったり、メガネかけ始めたりと、形から入るのも可笑しい。しかし彼の口から出る〈愛すること〉の哲学だけ…

「ライオン・キング」感想

ライオン・キング、みた。王の子ども・シンバの貴種流離譚。中身を忘れていたので、初見の感覚で楽しめた。ヌーの大群は荒れ狂う大河のように恐ろしく、ティモン&プンバァと駆け回るジャングルはアスレチックのワクワク感。ムファサの後継者として生きる宿命…

「蜜蜂と遠雷」感想

蜜蜂と遠雷、傑作。コンクール会場でぶつかり合う天才たち。常人にはたどり着けない高みを目指す彼らの〈閉じた〉苦しみは共感を寄せ付けない。少しずつ手ざわりを確かめながら掴んだ感覚、舞台からの景色と雷鳴のように轟く拍手、世界と音楽に祝福される喜…

「ジョン・ウィック パラベラム」感想

ジョン・ウィック パラベラム、面白かった!こんどは世界中の暗殺者に狙われる。とにかく〈ゲーム的〉楽しさに溢れている。TPS風のガンアクションが最高。超絶上手いプレイ動画を見ているような気持ち良さ。流れるような手さばきでコンボ技を決めていく。…

「空の青さを知る人よ」感想

空の青さを知る人よ、傑作!音楽に打ち込むあおい、彼女を支えるあかね、突然現れた13年前の慎之介。生まれ育った町、まだまだ子どもの妹、好きだった彼…みんな何かに縛られて生きている。自分は何なりたい?ガンダーラは何処かにある?あおいは苦しむ。でも…

「あなた買います」感想

あなた買います、みた。実際に起きたプロ野球選手争奪戦に着想を得たお話。スターの進路が「ビジネス」になる世界。岸本と球気の攻防!ひとを商品として扱う醜さよ。一方で「人としての付き合いをしたい」に滲む葛藤。苗子が清涼剤。彼女の「騙されたフリし…

「四月は君の嘘」感想

四月は君の嘘、全話みた。かをりが公生を呼ぶとき、「公生くん」でも「あなた」でもなく「君」なのがいいですね。近づき過ぎない距離感。それぞれの想いが交錯するコンクールは毎回ドラマティック。群像劇としても見応えがあるが、俺はどうしても椿の目線で…

「これは経費で落ちません!」感想

これは経費で落ちません!、全話みた。面白かった!真面目すぎてもはや堅物の森若さん=多部未華子がかわいい。キスの前にリップ塗ったり…笑 天天コーポレーションの仲間たちもチャーミングで愛せる。角田(東京03)と吹越満の小競り合いが毎回楽しみだっ…

「歴史から消えた小野小町」感想

歴史から消えた小野小町、みた。ムーラボ&カナザワ映画祭出品作品。秋田の地で小野小町の人生をたどる短編コメディ。監督の好きがたくさん詰まった、なかなかに混沌とした作品。人柄がでてる。ただ、正直あまり興味なかったので、早く終わらないかなと思っ…

「怪怪怪怪物!」感想

怪怪怪怪物!みた。傑作!いじめられっ子のリンと「怪物」との出会いから始まる地獄を描く。人は反撃されないとわかっている相手にしか手を出さない。「格下」を苛めで保たれる自尊心、守られる人間関係。誰だって「善人」でありたいと願う。でも「悪人」が…

「テッド・バンディ」感想

テッド・バンディ、みた。試写会にて。30人以上の女性を殺害したシリアルキラーを描く。この手の実録モノにしては珍しく〈なぜ彼は殺人鬼になったか〉を描かない。パーソナリティにも踏み込まない。この映画にあるのは〈人びとはテッドの何を信じたか〉だ。…

「マジで航海してます。Second Season」感想

マジで航海してます。Second Season、超絶大傑作!飯豊まりえはふにゃっとした笑みも、キリッと真面目な表情も似合う。いよいよ商船大学を卒業し、航海士のお仕事ドラマとして興味深い。未熟さゆえの苦い経験もあるけど、爽やか、元気でる!真凛と燕の最後の…

「松永天馬殺人事件」感想

松永天馬殺人事件を「目撃」しました。松永天馬という男は、そして映画は誰によって殺されたのか?正直、仕掛け自体は予想ついていたけど…「俺は俺だけの映画を創るんだ!」という熱い想いにあふれていた。この映画に物語は存在しない。あるのは松永天馬の哲…

「マジで航海してます。」感想

マジで航海してます。全話みた。商船大学の1ヶ月の研修を描く。飯豊まりえ目当てで見たけど、武田玲奈がよかった!他愛もないお話で、安定のダブ品質。飯豊まりえはシリアス演技の方がハマる気がする。最後その展開を10分で片付けようとするなよ!とは思った…

「ジョーカー」感想

ジョーカー、みた。道ばたで異臭を放つゴミのように蔑まれてきた男が、混沌の震源地となり、世界を丸ごと「喜劇」に変えてしまう。果たしてこのテーマをエンタメとして扱っていいのだろうか。お金払って楽しんでいる自分は「マーレイ・フランクリン・ショー…

「宮本から君へ」感想

宮本から君へ、みた。自分が大好きで、納得できないとわめき散らす未熟な男。そんな宮本が父になる。お腹を痛めて子を産むのは女。ならオスとして「強く」なれば、男は「父」になれるのか?男と女なんて今更古臭いかもしれない。でも、答えなんてわからなく…

「郵便配達は二度ベルを鳴らす」感想

郵便配達は二度ベルを鳴らす、みた。夫への裏切りからはじまる関係。娼婦から這い上がろうとした女、そして駆け落ちを持ちかける男。いっときの情熱や愛というものは続かない。燃え上がったは消え、離しては掴み…。面白いことに、ジーノとジョバンナが出会っ…

「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」感想

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に、超絶大傑作!映画は、所詮すべてはマスターベーションであると最初に宣言している。肥大化した自我が地球を覆い、人類を飲み込む。他者との繋がりに醒めてしまった孤独、そして最後の「気持ち悪い」。ア…