映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「バスターのバラード」感想:西部開拓期の死の物語

こんにちは。じゅぺです。 今回は「バスターのバラード」について。 「バスターのバラード」は、西部開拓期のアメリカを舞台にしたコーエン兄弟の短編映画集です。Netflixでの限定配信になっています。 正直、僕は世間で評価されているほどコーエン兄弟の作…

「あん」感想:さようなら樹木希林

こんにちは。じゅぺです。 先日、女優の樹木希林さんが亡くなりました。 僕が生まれる前からおばあさん役を演じていた彼女は、つねに一線で活躍を続け、邦画界になくてはならない存在でした。彼女のいない日本の映画の姿というものが想像できないぐらい、多…

「斬、」感想:タイトルの読点に込められた意味とは

こんにちは。じゅぺです。 今回は「斬、」について書きます。 生池松壮亮を見る 僕はこの作品を渋谷のラブホ街のど真ん中にあるユーロスペースという映画館で見たのですが、なんとそこで池松壮亮と塚本晋也監督を目の前で見てしまったんですよ!この映画館は…

「女王陛下のお気に入り」感想:ゼロサムゲームの迷宮

こんにちは。じゅぺです。 今回はいま映画ファンの間で話題の新作「女王陛下のお気に入り」の感想です! 「女王陛下のお気に入り」は、18世紀初頭のイングランドを舞台に、精神的に不安定なアン王女の側近の座を争うふたりの女を描く宮廷闘争劇です。ベネ…

「四月の永い夢」感想:書を持ち僕は旅に出る

こんにちは。じゅぺです。 このあいだ「七つの会議」を見て、朝倉あきにハマりました。あのおっとりと落ち着いた話し方や地味ながら映画映えする顔がとても素敵な女優さんなのです! https://eigakyorozin.hatenadiary.jp/entry/2019/02/15/090018 というわ…

「県警対組織暴力」感想:組織に生きる男たちの戦い

こんにちは。じゅぺです。 今回は「県警対組織暴力」について。 「県警対組織暴力」は、警察官でありながら暴落団組長の広谷との関係を深めていく久能を主人公に、組織の腐敗と権力闘争を描く実録ヤクザ映画です。主演は、菅原文太と松方弘樹。いつもの二人…

「半世界」感想:グローバリズムの「世間」と「世界」

こんにちは。じゅぺです。 今回は稲垣吾郎主演「半世界」の感想です! 「半世界」は、数年ぶりの再会を機に自らの人生を見つめ直す3人の幼なじみの男たちを描く大人の青春映画です。こうやってまとめるとおっさん版「SUNNY」のように見えますが、ぜんぜん違…

「仁義なき戦い 広島死闘編」感想:勝利の主役を食う存在感

こんにちは。じゅぺです。 今回は「仁義なき戦い 広島死闘編」について。 「仁義なき戦い 広島死闘編」は「仁義なき戦い」シリーズの第2作です。広能も山守もほとんど出てこないので、続編というよりは外伝的な位置付けになっています。主演は北大路欣也。…

「仁義なき戦い」感想:ブレない男が生き残る

こんにちは。じゅぺです。 今回は「仁義なき戦い」について。 「仁義なき戦い」は、言わずもがな、アメリカ占領下の呉を舞台に、血で血を洗う抗争を繰り広げる山守組の権力闘争を描きます。監督は深作欣二。主人公の広能を演じるのは菅原文太です。 誰もが泥…

「メリー・ポピンズ リターンズ」感想:多幸感溢れるミュージカルを楽しむ

こんにちは。じゅぺです。 ミュージカル映画ブームの昨今、あの伝説的映画の続編が製作されました。「メリー・ポピンズ リターンズ」です。 「メリー・ポピンズ リターンズ」は、借金に苦しむバンクス家の元に、ふたたびメリー・ポピンズがやって来て、毎日…

「七つの会議」感想:豪華俳優陣のアンサンブル

こんにちは。じゅぺです! きょうは原作・池井戸潤、主演・野村萬斎の「七つの会議」をご紹介します。 「七つの会議」は、小さなパワハラ事件がやがて全社を揺るがす大事件に発展する様を描く企業サスペンスです。 ベタにベタを塗り重ねたストーリーと演出 …

「アクアマン」感想:みんなの「好き」を詰め込んだ竜宮城

こんにちは。じゅぺです。 今回はDCFU最新作「アクアマン」の感想です! 「アクアマン」は「マン・オブ・スティール」から始まるDCユニバース5作目の作品です。「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」でサプライズ出演し「ジャスティス・リ…

「ファースト・マン」感想:「セッション」「ラ・ラ・ランド」に連なる「二人だけの物語」

こんにちは。じゅぺです。 今回はデミアン・チャゼル監督の待望の最新作「ファースト・マン」の感想です! 「ファースト・マン」は人類初の月面着陸に挑んだアームストロング船長を描く伝記映画です。アメリカ本国では月面着陸の場面に星条旗を立てるシーン…

「フロントランナー」感想:なぜ失脚した地味な政治家が主人公なのか?

こんにちは。じゅぺです。 今回はヒュー・ジャックマン主演の伝記映画の感想です! 「フロントランナー」は、不倫報道で政界から葬られた大統領候補、ゲイリー・ハートの選挙戦を描きます。監督はジェイソン・ライトマン。「JUNO/ジュノ」や「マイレージ、…

「知らない、ふたり」感想:心のなかの居場所の探り合い

こんにちは。じゅぺです。 今回は「知らない、ふたり」について。 「知らない、ふたり」は今泉力哉監督による恋愛映画です。今泉力哉監督といえば、「恋愛映画の騎手」という紹介をされることも多く、今年には角田光代原作の「愛がなんだ」と伊坂幸太郎原作…

「サスペリア(2018)」感想:歴史の循環の中で

こんにちは。じゅぺです。 今回は話題作「サスペリア」の感想です! 「サスペリア」は1977年に公開されたダリオ・アルジェント監督の同名ホラー映画を現代風に「再構築」した作品です。ヴェネツィア国際映画祭で公開された際はその大胆なアレンジに賛否…

「サスペリア(1977)」感想:ガーリー&グロテスク

こんにちは。じゅぺです。 今回は1977年公開「サスペリア」の感想です! 現在、リメイク版「サスペリア」が大いに話題を呼んでいますが、今回は1977年公開のオリジナル版「サスペリア」の感想を書きます(リメイク版は明日9日にレビューをアップ予…

「ミスター・ガラス」感想:クリエイターと観客の関係

こんにちは。じゅぺです。 今回はM・ナイト・シャマラン監督最新作「ミスター・ガラス」の感想です!ネタバレありなので未見の方はご注意を。 シャマラン監督といえば「シックス・センス」でおなじみですね。オカルトチックなホラー映画を得意としている監…

「十月」感想:プロパガンダ映画の裏表

こんにちは。じゅぺです。 今回はソ連映画「十月」の感想です。 「十月」はソ連建国に至るまでの革命を描くプロパガンダ映画です。監督は「戦艦ポチョムキン」のセルゲイ・エイゼンシュテイン監督。映画黎明期に「モンタージュ理論」を確立した、ロシアが誇…

「5時から7時までのクレオ」感想:絶望をめぐる2時間

こんにちは。じゅぺです。 先日、フランスの著名な作曲家、ミシェル・ラグランが亡くなりました。彼は映画音楽で数多くの功績を残しており、「ロシュフォールの恋人たち」や「シェルブールの雨傘」の作曲が有名です。今回はそんな彼の関わった映画の中から、…

「復讐は俺に任せろ」感想:真相に手の届かない歯がゆさ

こんにちは。じゅぺです。 今回はフリッツ・ラングのサスペンス「復讐は俺に任せろ」について。 「フリッツ・ラング」というビッグネームに好奇心をくすぐられて手をつけたのですが、ぶっちゃかそこまで好きにはなれない作品でした。良くも悪くもこの頃のハ…