映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

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「バスターのバラード」感想:西部開拓期の死の物語

こんにちは。じゅぺです。

今回は「バスターのバラード」について。

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「バスターのバラード」は、西部開拓期のアメリカを舞台にしたコーエン兄弟の短編映画集です。Netflixでの限定配信になっています。

正直、僕は世間で評価されているほどコーエン兄弟の作品が好きではありません。単純にテンポが合わないんですよね。「バートン・フィンク」「ファーゴ」「ビッグ・リボウスキ」「ノーカントリー」などわりと有名どころは抑えたのですが、いまいちピンと来ません。唯一好きな「トゥルー・グリッド」は原作のある作品なので、ことごとく外してます。

本作「バスターのバラード」も、残念ながら微妙で、結構退屈しながら見てしまいました。ただ、非常にあっさりとした死の扱い方には「らしさ」を感じたし、響いてくるものがありました。酒場での決闘、原住民、金を狙う盗賊。西部開拓期のアメリカでは、危険は至る所に潜んでいて、死の瞬間は突然やって来ます。表題作のバスターのショボすぎる負けっぷりや、二度の死刑を体験する男のエピソード、見世物小屋の主人の裏切りなど、こじんまりとしていながらも粒ぞろいで、一つひとつのお話に見応えがあります。可笑しくて笑っちゃうような死に方に、無念の残る切ない死に方。この映画のようなドラマが、きっと当時無数にあったに違いないと思うと、また別の感慨があります。思い返してみると、味わい深さもある作品でした。そのうちコーエン兄弟のほかの作品も見返したら、その良さもわかってくるんでしょうかね。