映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「ハミルトン」感想

ハミルトン、観た。リン=マニュエル・ミランダによるミュージカル。R&Bやヒップホップ、オーソドックスなミュージカル音楽を詰め込み、アメリカの成り立ちからハミルトン個人の再評価まで全部やり切ってなお重厚な作品に仕上がってる。アメリカの歴史と英語…

「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」感想

男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋、観た。物語も演出も少々トリッキー。合間にセリフが入るオープニング、「夢」ではアニメーション、早送りのコミカルな動き。そしてリリー三部作に続いて「なぜ寅さんは幸せになれないのか?」を問う。「おまえもいずれ恋を…

「コーダ あいのうた」感想

コーダ あいのうた、観た。ルビーが漁船で仕事を手伝いながら気持ちよさそうに歌うオープニングから泣いてしまった。いつだって冒険の始まりは尊いものだ。仕事も勉強もがんばって一杯一杯のルビーを見て胸が苦しくなる。でも、みんな彼女のことが大好きだし…

「ハウス・オブ・グッチ」感想

ハウス・オブ・グッチ。観た。上昇志向が強く、欲のままにグッチ家をひっかきまわすパトリツィアをレディ・ガガがうまく演じている。上流階級の社交場に居るとちゃんと下品な人間に見えるのがすごい。彼女がいなくても遅かれ早かれ崩壊しただろうと思わせる…

「クライ・マッチョ」感想

クライ・マッチョ、観た。だいぶヘンテコな映画だな〜。雇い主の子をメキシコから連れ出す逃避行。しかし、お話はとてもゆるい。「クリント・イーストウッドがスクリーンにいる」という一点のみで緊張感を持たせてしまっている。メキシコってそんなに都合い…

「フラガール」感想

フラガール、観た。思ったよりシリアス。ひとりで練習に励む紀美子のしなやかな動きと真剣な眼差しに惚れる。そして、反対していた母が身を乗り出してステージにかじりつく場面で泣く。「バカみてえに笑うんだよ!」って、本当に壮絶だよなあ。これを踏まえ…

「春原さんのうた」感想

春原さんのうた、観た。窓が開け放たれている。風が吹き、カーテンが揺れる。窓は誰かが来るのを待っている。しっかりご飯を食べて、コーヒーを淹れ、疲れたらお布団で寝る。日常は退屈で無機質だ。でも、その積み重ねは「詩」になり得るし、後から「意味」…

「ロスト・ドーター」感想

ロスト・ドーター、観た。バカンス先で「母親」をまっとうできなかったトラウマが蘇る中年女性の物語。娘が独り立ちしてなお罪悪感に苛まれるなんてキツすぎる。ビーチで寛いでも、バーで飲んでも、映画館に寄っても周りはうるさいし他人に絡まれるしで心休…

「男はつらいよ 寅次郎紙風船」感想

男はつらいよ 寅次郎紙風船、観た。音無美紀子と岸本加世子のダブルマドンナ。「寅さん、今何考えるの?」『お前と同じことだよ』。変なオッサンに懐いてしまう岸本加世子のクソガキ感がいい。同窓会では嫌われ、最後は説教を受ける寅さん。リリー編の後なの…

「決戦は日曜日」感想

決戦は日曜日、観た。いやぁ〜、なかなかどぎつい風刺コメディだ。事なかれ主義の秘書と担ぎ上げられた二世議員の選挙戦を描く。あれもこれも見覚えのある光景。前半はコミカルだが、だんだんがんじがらめのシステムで固められた政治の世界のグロテスクさが…

「さがす」感想

さがす、観た。オンライン試写にて。「指名手配犯を見つけた」と言い残して姿を消した父。娘はその行方を探るが…。面白い!二転三転するストーリーから禍々しい真実が浮かび上がる。西成の雑多な空気感や、人の生き死にのあっけない描き方など、全体的にひん…

「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」感想

男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎、観た。松坂慶子がうっとりする美しさだ。関西弁もチャーミング。江戸っ子の寅さんが大阪に…というお話は面白いけど、基本的にいつも通りの話。振られた寅さんがそんな扱いは酷い、惨めだって怒るのは珍しい。笑って送り出す…

「スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム」感想

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム、観た。ピーター・パーカーの宿命を描きつつ、しかし、真正面から「若さ」を見つめた映画だ。取り返しのつかない失敗にどう向き合うか。ドラえもん的に登場するストレンジ先生は答えじゃない。本当の答えは自分との対…

「99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE」感想

99.9 刑事専門弁護士 THE MOVIE、観た。劇場作品である必要はまったく感じないが、お正月の特番だと思えば大満足の内容。スキマなく埋め尽くされるギャグに粉飾されているが、なかなか陰惨な事件だ。明らかにモデルあるし。前日譚のスペシャルドラマは流し見…

「マクベス」感想

マクベス、観た。大傑作!シェイクスピアの戯曲をジョエル・コーエンが映画化。小心者のマクベスが暴君として破滅していく様を描く。ドイツ表現主義を踏襲したモダニズム的映像美、野心と恐怖で揺れ動くデンゼル・ワシントンの演技!クラシカルでありスタイ…

「ドント・ルック・アップ」感想

ドント・ルック・アップ、観た。半年後に隕石が落下して地球は滅亡する。そんな予測より選挙だと息巻く大統領、わけわからんチャリティーソングではしゃぐ歌手、阻止計画を乗っ取るテック企業…。ディザスター映画なのに描かれるのは「混乱」や「絶望」ではな…

「キングスマン:ファースト・エージェント」感想

キングスマン:ファースト・エージェント、観た。このシリーズの戯画的なおふざけの魅力が、史実を織り交ぜたことで中途半端になってしまった。血に塗れた近代英国への批判はいいが、だとしたら「世界史の裏で活躍するキングスマン」のユーモアって一体なん…

「志村けんとドリフの大爆笑物語」感想

志村けんとドリフの大爆笑物語、観た。期待に反して面白かった。踏み込んだ人間ドラマとまではいかないが、ドリフの歴史を知るには十分な内容。再現コントもたのしい。山田裕貴の器用さと遠藤憲一の役者としての懐の深さを実感。福田雄一演出はテレビドラマ…

「悪なき殺人」感想

悪なき殺人、観た。フランスの寒村でひとりの女性の遺体が見つかる。その裏には「偶然」の積み重ねがあり…。膨大な伏線の束のような映画だ。渇望の輪廻の物語と言ってもいい。しかし、「なるほどな〜」止まりだったかな。ひとりでも関心が持てる人物がいれば…