映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

2020-01-01から1年間の記事一覧

「ミッドナイト・ファミリー」感想

ミッドナイトファミリー、みた。ウェブ試写にて。公的医療が貧弱なため救急搬送のほとんどを無許可の私営救急車に頼るメキシコシティ。サンダンス特別賞受賞のドキュメンタリー。獲物を求めて闇営業の救急車同士がカーチェイスする衝撃。過酷な現実にことば…

「AWAKE」感想

AWAKE、みた。プロ棋士の夢敗れた青年がコンピューター将棋の開発にのめり込む様を描く。将棋という「伝統」とAIという「近未来」の対決というルックからして最高。ただ「勝ちたい」と願い、己の挑戦の意味を問い続けるふたりの男の眼差しがカッコよかった。…

「すずしい木陰」感想

すずしい木陰、みた。柳英里紗が木陰のハンモックで揺られる様をただ眺めるだけの96分。途中なにか起こるのかと思ったら本当になにもない。こだわりの方法で炊き上げた白飯を、なにもつけずに召し上がれ…といった趣き。これを映画として褒めるべきなのか?ど…

「FUNAN フナン」感想

FUNAN フナン、みた。クメール・ルージュ抑圧下のカンボジアを舞台に、息子と離れ離れになった母親を描くアニメーション。都会的な生活をしていた家族が、農村へ強制移住させられ、飢えに苦しんでいく。ただこういう事実があったということに落ち込んでしま…

「アニアーラ」感想

アニアーラ、みた。火星への移住者8000人を乗せた宇宙船が軌道をはずれ、5年、10年…と放浪の旅を続けていく。スウェーデンのノーベル賞作家、ハリー・マーティンソンの長編叙事詩を映画化。さすが北欧。青空を渇望する人間の苦しみ、終わりなき冬に蝕まれて…

「有村架純の撮休」全話感想

有村架純の撮休、全話みた。メチャクチャ好き。エピソードによって濃淡はあるが、第3、6、8話が特に良い。回によって自堕落だったり、仕事人間だったり、重めの恋人だったりと、作り手のカラーや願望が出ていて面白い。本人を演じつつ毎回違う表情を見せるの…

「ハッピー・オールド・イヤー」感想

ハッピー・オールド・イヤー、みた。ミニマリストを目指して実家のリフォームに着手したジーンだったが、借りたままのモノを返す中で元恋人との思い出の品を見つけ…。ジーンがなかなか共感を寄せ付けない人物像だが、過去と向き合う痛み、身勝手がぶつかり合…

「ハニーランド 永遠の谷」感想

ハニーランド 永遠の谷、みた。北マケドニアの山奥で老母とふたりで暮らす自然養蜂家を追うドキュメンタリー。トルコ人一家が隣にやってきたことから話は急転する。歪んだ父性と目先の利益に飛びつく強欲さが平穏な親子のくらしを破壊していく。ああ、これは…

「サイレント・トーキョー」感想

サイレント・トーキョー、みた。クリスマスムードの恵比寿に爆弾の恐怖が忍び寄るオープニングから渋谷大パニックの流れはすごく楽しい。見慣れた景色が地獄になるのは、映画の醍醐味。それを渋谷で見られるなんて。でも、そこから先は尻すぼみ。相棒2時間…

「佐々木、イン、マイマイン」感想

佐々木、イン、マイマインをみた。ひさびさに響く青春映画に出会った。真夜中にゴミだらけの部屋でロクヨンをする佐々木の孤独は如何ばかりか。子どもの頃よく遊んでいたのに、大人になってから話が合わなくなった友人のことを思い出す。佐々木よ、さような…

「Away」感想

Away、みた。ラトビアのクリエイターが一人でつくりあげた長編アニメーション。飛行機事故を生きのびた少年が、迫りくる巨人から逃げながら、地図の指し示す場所をめざしていく。風ノ旅ビト」をおもわせる抽象的かつ寓意的な世界観。しかしメリハリがないの…

「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」感想

滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie、みた。Snow Manの知識はゼロ。たまには変わり種をと。まさしく「奇祭」というべき内容。突然の五条大橋(義経!)からの「腹筋太鼓」はすごかった笑 なんでもありのおもちゃ箱。ファン向けではあるが、結構楽しかった。てか…

「空に聞く」感想

空に聞く、みた。3年半にわたり陸前高田災害FMのパーソナリティを務めた阿部裕美さんを追うドキュメンタリー。いつもの昼下がり、ラジオブースを流れるゆったりとした時間。仮設住宅での取材、商工会の人びとの対談、七夕のお祭りの風景。ドラマとは、人間が…

「バクラウ 地図から消された村」感想

バクラウ 地図から消された村、みた。宇宙から始まるオープニング、道端に散らばる棺桶、UFO型のドローンなどSF的序盤から、西部劇を連想させる中盤の展開、そして血と暴力のクライマックス…と掴みどころのない、ジャンル横断的な構成で飽きさせない。腐敗と…

「燃ゆる女の肖像」感想

燃ゆる女の肖像、みた。前評判が高すぎる感はあるが、面白かった。結婚を嫌がるエロイーズと、正体を隠して近づく画家のマリアンヌ。燃えるような恋心と炎が重なり合う中盤のお祭りと、お別れの日が迫る中、愛を確かめ合うようにキスを交わす浜辺の場面がお…

「泣く子はいねぇが」感想

泣く子はいねぇが、みた。主体性がなく甘ったれ、それでいて往生際の悪い男・たすく。ひとは裏切られた相手には期待しない。土下座したって見限られたら何も響かない。だから、ことねの暗い、刺すような目が怖い。終始共感を寄せ付けない主人公は、僕たちの…

「ミセス・ノイズィ」感想

ミセス・ノイズィ、みた。些細な近所トラブルがマスコミやネット世論を巻き込む大騒動になっていく…。「騒音おばさん」事件がモデルと訊いて野次馬のノリで見に行くと冷や水を浴びせられる。壁一枚隔てた隣人ですら会話が成り立たないのである。いわんや赤の…

「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」感想

A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー、みた。不慮の事故で亡くなった男が幽霊となり、妻の残る家に帰る。時空をさまよった末にたどり着くのはやはり"あの時"だった。たとえ赤色巨星となった太陽が地球を飲み込み、宇宙中の原子がバラバラになっても、僕…

「妖星ゴラス」感想

妖星ゴラス、みた。地球滅亡の危機に世界中の人びとが立ち上がる。冒頭に死ぬ船長がいちばん魅力的に見える程度には薄味なドラマだが、ゴラスが近づくにしたがって高まる切迫感、クライマックスの大波に飲まれる東京の特撮はさすが。「我が東京は全滅ね」『…

「CURE」感想

CURE、みた。ひっくり返りそうになるぐらいキレキレで面白い!高部にとって間宮は数々の奇跡を起こす聖人であり、同時に世界の秩序に挑戦する悪魔でもある。多用される長回しのザラつきと冷たさ、そして唐突にカットが切り替わる緊張感。見てはいけないもの…

「真・鮫島事件」感想

真・鮫島事件、みた。楽しいはずのリモート飲みが地獄と化す!いち早くコロナ禍を取り入れたホラー。画面の向こうの友だちがどんどん消えていく…。主人公が帰宅してマスクを外すまでのジトッとした恐怖、POVホラーをベースにつつ、終盤はでステージを攻略す…

「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」感想

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY、面白かった。悲惨な境遇の人間がたくさん出てくるのに一切湿っぽくならず、最初から最後までポップでカラフルな世界観を貫いているのが良い。軽妙であるべき会話劇はテンションがヌルッとしていて失敗してい…

「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編、みた。汽車を支配された対エンム戦の激しさもさることながら、上弦の月と柱のラストバトルは壮絶だった。ザック・スナイダー映画のようだ。炭治郎を待ち受ける運命の過酷なことよ。最後は「ありがとう 悲しみよ」って言えるよ…

「無聲 The Silent Forest」感想

無聲 The Silent Forest、みた。東京フィルメックスコンペ作品。台湾の聾唖学校で起こった事件をもとに、閉鎖空間で起こる性被害の連鎖を描く。事前に聞いてはいたが、とってもストレスの強い映画だった。ここ以外に居場所がないから、事を荒立てたくなくて…

「死ぬ間際」感想

死ぬ間際、みた。東京フィルメックスコンペ作品。アゼルバイジャンの荒野を彷徨する男が、行く先々で出会った女たちを死によって解放=救済していく。彼は天使か、それとも死神か。乾いた笑いと共に詩的に語られるエピソードの数々に見応えはあるものの、い…

「アスワン」感想

アスワン、みた。東京フィルメックスコンペ作品。ドゥテルテ政権下のフィリピンで、警察による「超法規的殺人」に苦しめられる市井の人々を追うドキュメンタリー。警察がろくに捜査もせず無実の人を殺し、釈放と引き換えに金銭を要求する世界。これが現実だ…

「ニンゲン合格」感想

ニンゲン合格、みた。10年の昏睡から覚めた青年が失われた家族の絆を求めて奔走するが、いまわの際に側にいたのは赤の他人のおっさんだった。生きているのに彼岸と志願を意識させる絵作り、その帰結としての葬式。船の沈没をテレビで知る場面は、なるほど「…

「ジオラマボーイ・パノラマガール」感想

ジオラマボーイ ・パノラマガール 、みた。原作誕生から32年間の東京の顔が多層的に折り重なり、コロナ後のいま異様なパラレルワールドに映る。たとえ「世界」に終わりがやって来たとしても、リビングの電球は変えなきゃいけないし、17歳の誕生日はやって来…

「詩人の恋」感想

詩人の恋、みた。妻と妊活に励む売れない中年詩人・テッキはある日を境にドーナツ屋の青年に惹かれ始め…。うーん、人を好きになるって勝手なことなのだなあ。「詩人とは人の代わりに悲しんで泣いてあげる人」とヤンは言う。彼の情けなくも優しい猫背に、残酷…

「ドクター・デスの遺産 BLACK FILE」感想

ドクター・デスの遺産 BLACK FILE、みた。予告編は面白そうだったんだけどなあ。安楽死をテーマにしながらすべてが定型的。開始30秒で終盤までの展開が読めてしまう(誇張ではない)。綾野剛も紋切り型のキャラを職人的に演じるに終始し、北川景子に至っては…