映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ハッピー・オールド・イヤー」感想

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ハッピー・オールド・イヤー、みた。ミニマリストを目指して実家のリフォームに着手したジーンだったが、借りたままのモノを返す中で元恋人との思い出の品を見つけ…。ジーンがなかなか共感を寄せ付けない人物像だが、過去と向き合う痛み、身勝手がぶつかり合う苦しさを上品に描いた佳作だと思う。

「バッド・ジーニアス」と同じスタッフ、主演だが、テイストは全く異なる。ウェルメイドなアメリカのインデペンデント映画を見ている感覚。サンダンスあたりで売れそう。主人公のジーンが小憎たらしく、わりと自分勝手かつ言ってることの正しさのわりにモノの管理はだらしない。借りパクの域超えてる笑

デザイナーとして理論は学んでるんだけど、人間関係は埃かぶったまま放置しているという。クレバーなんだろうが頭でっかちだな…というキャラをうまく演じているのがチュティモン・ジョンジャルーンスックジン(タイ人の名前は長い)。大人になりきれない未熟さ、めんどくささがなんとも生々しい。

ジーンとエムが対峙する場面、俺はエムのこと「言ったれ言ったれ!」と応援してしまいましたよ。いまさら謝りに来るなんて、許しの恫喝だと。罪悪感を抱えたまま生きてくれとは結構残酷なことばで、彼なりに腹に抱えていたものが見え隠れする。父親とのエピソードも、予想とは違う方に進んでびっくり。

ちょっと前半ウトウトしてしまった(となりのオヤジもだいぶ寝てた)のと、後半ちょっとテンポが落ちてしまったので、俺の中の評価はそこそこ。物語のエンジンかかるの遅かったし、(それこそミニマルに)100分ぐらいに収めてくれたらもっと好みだった。