映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

映画

「友だちのパパが好き」感想:近親相姦への嫌悪

こんにちは。じゅぺです。 今回は「友だちのパパが好き」について。 「友だちのパパが好き」父が娘の親友と"純愛"で結ばれてしまってことで崩壊していく家族を描く作品です。だいぶ気持ち悪い映画なので、よっぽど元気のある時じゃないとオススメできない代…

「アンドレイ・ルブリョフ」感想:何かを信じるということ

こんにちは。じゅぺです。 今回はアンドレイ・タルコフスキー監督作品「アンドレイ・ルブリョフ」です。 「アンドレイ・ルブリョフ」は、タタール人の侵略で混沌を極める15世紀ロシアに生きたイコン画家の半生を描いてます。アンドレイ・ルブリョフの作品で…

「クロニクル」感想:思春期の「どうにもならなさ」を描く

こんにちは。じゅぺです。 今回は「クロニクル」の感想です。 「クロニクル」はジョシュ・トランク監督による青春映画です。超能力を得た高校生たちが力に飲まれ、破滅していく姿を描きます。 事件を「目撃」する面白さ この映画が面白いのは青春映画を一人…

「グランド・ホテル」感想:人生の交差点

こんにちは。じゅぺです! 今回は古典的名作「グランド・ホテル」の感想です。 「グランド・ホテル」は高級ホテルに集う人びとを描く群像劇です。お話の構成的には舞台劇に近い内容になっています。後世さまざまな映画に影響を及ぼした、というか群像劇映画…

「裁かるるジャンヌ」感想:ジャンヌ・ダルクは英雄なのか

こんにちは。じゅぺです。 今回はカール・テオドア・ドライヤー監督の「裁かるるジャンヌ」です。 「裁かるるジャンヌ」は実際の裁判記録をもとにジャンヌ・ダルクの異端審問から火刑に至るまでを描く伝記映画です。ジャンヌ・ダルクをテーマにした作品はロ…

「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」感想:ダンスという言語

こんにちは。じゅぺです。 今回はドキュメンタリー映画を取り上げたいと思います。ヴィム・ヴェンダース監督による「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」です。 「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」は、急死したドイツの天才振り付け師、ピナ・バ…

「奇跡の丘」感想:民衆を率いたひとりの宗教家としてのイエス

こんにちは。じゅぺです。 今回は「奇跡の丘」の感想です! 「奇跡の丘」はピエル・パオロ・パゾリー二監督による「マタイによる福音書」を忠実に実写化した作品です。「マタイによる福音書」は新約聖書を構成する福音書のひとつで本作の原題にもなっていま…

「花とアリス」感想:異質な他者の目線から隔離された二人だけの空間

こんにちは。じゅぺです。 今回は「花とアリス」について。 「花とアリス」は、二人の友情と嘘の上塗りによって育まれていく恋を描く青春映画です。監督は岩井俊二。彼の作品は「リップヴァンウィンクルの花嫁」と「打ち上げ花火、横から見るか?下から見る…

「もしも君に恋したら。」感想:ゾーイ・カザンに癒される

こんにちは。じゅぺです。 今回は「もしも君に恋したら。」について。 「もしも君に恋したら」は、友だちになる約束をしたはずのウォレスとシャントリーが徐々に惹かれあっていく様を描くロマンティックコメディです。 ゾーイ・カザンに癒されたい〜と思って…

「アシュラ」感想:男社会の光と陰

こんにちは。じゅぺです。 今回は「アシュラ」について。 「アシュラ」は市長・検察・警察の三つ巴の争いと権力の腐敗を描くサスペンス映画です。 この映画、見事に男しか出てきません。オスだけで回る社会です。そして等しく全員愚かでした。悪徳市長と彼の…

「ショウほど素敵な商売はない」感想:歌と踊りのショウビズ賛歌

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ショウほど素敵な商売はない」です。 「ショウほど素敵な商売はない」は、ドナヒュー一家の試練と家族愛を描くミュージカル映画です。「サウンド・オブ・ミュージック」とか「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」を思い出…

「バーフバリ 伝説誕生」感想:シヴァガミさんのエコひいき

こんにちは。じゅぺです。 今回は「バーフバリ 伝説誕生」について。 「バーブバリ 伝説誕生」はインド製作のアクション超大作です。政略により王家を追われ、庶民階級の子として育った青年・バーフバリが、戦いを通して自らの出自と父の悲劇的な死を知るま…

「スピード」感想:キアヌが走る!汗をかく!でも爽やか!

こんにちは。じゅぺです。 今回はキアヌ・リーブスの出世作「スピード」です! 「スピード」を見るのはおそらく3回目ぐらいです。しかし、そのわりに中身をほとんど覚えていませんでした。映画好きを名乗るなら、さすがに復習しておかないとね〜ということ…

「サイコ」感想:シンプルで複雑、オリジナルの輝き

こんにちは。じゅぺです。 今回は「サイコ」について。 「サイコ」は、ヒッチコックの傑作サイコスリラーです。会社の金を持ち逃げした女が転がり込んだモーテルに、鳥の剥製を愛する謎めいた管理人の男がいて…というお話。次から次へとひっくり返る展開と、…

「人狼」感想:Netflixオリジナル映画の凡庸さ

こんにちは。じゅぺです。 今回は「人狼」について。 「人狼」は、押井守監督の同名映画の韓国版リメイク作品です。監督はキム・ジウン。 押井守監督の作品も、キム・ジウン監督の作品もほとんど触れたことがないので、今回の「人狼」は完全に一本のオリジナ…

「日本のいちばん長い日」感想:顔の見えない「天皇」について

こんにちは。じゅぺです。 今回は「日本のいちばん長い日」について。 「日本のいちばん長い日」は、8月14日の御前会議と、玉音放送妨害を企てる陸軍将校を描く歴史映画です。 終戦70周年記念で公開された役所広司主演のリメイク版は映画館で見たのですが、…

「河内カルメン」感想:若い身体の一瞬の輝き

こんにちは。じゅぺです。 今回は鈴木清順監督「河内カルメン」について。 「河内カルメン」は田舎生まれの少女が甲斐性のない男たちに振り回されながら「女の出世街道」を歩んでいく…というお話です。鈴木清順監督の作品は「東京流れ者」と「けんかえれじい…

「ジョイ」感想:肝っ玉母ちゃんの奮闘記

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ジョイ」について。 「ジョイ」は、女手ひとつで家を切り盛りする「肝っ玉母ちゃん」のジョイが、家庭用品販売の実業家として成功するまでを描く伝記映画です。デヴィッド・O・ラッセル監督では「世界にひとつのプレイブ…

「死刑執行人もまた死す」感想:当時の観客はなにを思ったのだろう

こんにちは。じゅぺです。 今回はフリッツ・ラングの作品「死刑執行人もまた死す」の感想です。 「死刑執行人もまた死す」は、ナチス支配下のプラハでゲシュタポに追われるレジスタンスを描く戦争映画です。第二次世界大戦真っ只中の1943年に作られているせ…

「ラルジャン」感想:一瞬の無駄のない完璧な87分間

こんにちは。じゅぺです。 今回はロベール・ブレッソンの遺作「ラルジャン」の感想です。 ロベール・ブレッソン監督といえば、独自の理論に基づき構築された静謐かつ無駄のない演出が特徴的でしょう。未読ですが、彼の映画論が記された「シネマトグラフ覚書…

「惑星ソラリス」感想:胸に澱む後悔と向き合いながら

こんにちは。じゅぺです。 今回はタルコフスキー監督の名作「惑星ソラリス」について。 「惑星ソラリス」は、知性を持つ海によって作られた亡き妻ハリーの「複製」と出会ったクリスが、科学者として愛情と倫理の間で揺れ始める様を描くSF映画です。 「20…

「バイス」感想:リアル「ハウス・オブ・カード」の世界

こんにちは。じゅぺです。 今回はアダム・マッケイ監督最新作「バイス」について。 「バイス」は、「史上最強の権力を持った副大統領」と呼ばれ、ブッシュ政権を陰で操り、イラク戦争を煽動したといわれるチェイニー副大統領の半生を描く伝記映画です。監督…

「ひなぎく」感想:若さと美を兼ね備えた「最強」姉妹

こんにちは。じゅぺです。 今回はチェコ・ヌーヴェルヴァーグの代表作「ひなぎく」について。 「ひなぎく」は、無軌道に生きる二人のマリエを描く旧チェコ・スロヴァキアの映画です。日本では90年代に「女の子映画」として人気を博しました。旧共産圏独特…

「スリ 」感想:物語る「手」

こんにちは。じゅぺです。 今回はロベール・ブレッソン監督作品「スリ」について。 「スリ」は、スリにのめり込んでいく青年ミシェルと、彼の母のアパートの隣室に住むジャンヌが、恋に落ち惹かれあっていく様を描く作品です。冒頭に「これは刑事物ではない…

「雨月物語」感想:欲望に忠実に生きるということ

こんにちは。じゅぺです。 今回は「雨月物語」について。 「雨月物語」は上田秋成の読本を原案に、欲望に翻弄される人々を描いた溝口健二監督の作品です。溝口作品を見るのははこれが初めてです。 「雨月物語」はあらすじだけを追ってみると「まんが日本昔ば…

「ゾディアック」感想:凶悪事件に対する一途な片思い

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ゾディアック」について。 「ゾディアック」は実際の未解決事件を題材にしたサスペンスです。監督はデヴィッド・フィンチャー。「ソーシャル・ネットワーク」は僕のオールタイムベストの一本です。独特の青く冷たい映像の…

「溺れるナイフ」感想:むき出しの自我の衝突

こんにちは。じゅぺです。 今回は「溺れるナイフ」について。 「溺れるナイフ」は、ジョージ朝倉による同名少女漫画を、小松菜奈と菅田将暉のダブル主演で実写化した作品です。監督は山戸結希。正直菅田将暉はあまり好きではない(ガチャガチャしていて騒が…

「レゴ・ムービー2」感想:父との和解の「その後」

こんにちは。じゅぺです。 今回は「レゴ・ムービー2」の感想です。 「レゴ・ムービー2」は人気玩具レゴ・ブロックを題材にした傑作アニメ「レゴ・ムービー」の続編です。前作に引き続きフィル・ロードとクリストファー・ミラーのコンビが製作と脚本を担当…

「ブロードウェイ・メロディー」感想:MGMミュージカル草創期の作品

こんにちは。じゅぺです。 今回は第2回アカデミー作品賞受賞作品「ブロードウェイ・メロディー」のレビューです。 「ブロードウェイ・メロディー」は、レビューのスターを目指すマホーニー姉妹の物語です。 正直、この作品の価値は歴史的な意義が大きいと思…

「ULTRAMAN」感想:ウルトラマンネクサスの思い出

こんにちは。じゅぺです。 今回は「ULTRAMAN」について。 「ULTRAMAN」は2004年当時円谷が企画していた連動プロジェクトの第1弾として公開された劇場版作品です。「ウルトラマン」第1話の舞台を現代に置き換えて再解釈した内容になっています。この後…