「空に住む」感想
空に住む、みた。両親を失い、親戚のタワマンに住む小早川は、人気俳優の時戸が住人であると知るが…。岩田剛典がエロい!「オムライス作れる?」でエレベーターで出会った女性の家まで上がり込む一連の流れに説得力を持たせられるのは彼しかいないだろう。天国も結局しがらみからは逃げられない。
ワイングラスを揺らしながら優雅にソファに腰掛けることがタワマンの生活なのか。他に描写のパターンはないのかと思ってしまったが、とにかく、多部未華子と岩田剛典がいっしょにいる場面はどれも妙な色気に溢れていてよかった。特に多部ちゃんはここのところものすごい大人のオーラをまとっている。
天国に最も近い場所、大都会の営みを直下にのぞむタワマンという空間。クローゼットに押し込まれた位牌、オムライスのタマゴとケチャップ、徐々に衰弱する猫、お腹に宿した浮気相手の子ども…散りばめられた抽象的モチーフは独特の浮遊感を生むが、それこそ平行線のまま最後まで結びつかない。残念。
美村里江や岸井ゆきののキャラは俳優の力量で持ってる印象。永瀬正敏の使い方が完全にジム・ジャームッシュ「パターソン」だった。どうしても歌の世界観ありきなので、もうひと声ほしかった、もっと膨らませられたのではと思ってしまう。いろいろ言ったけど雰囲気は大好き。多部ちゃんが映る限り安泰。