「無法松の一生」感想
無法松の一生、みた。荒くれ者の人力車夫を勝新太郎が演じる。すこし喧嘩っ早いけど義理堅くて茶目っ気のある男。ひそかによし子に想いを寄せつづけるピュアさ。「ワシの心は汚ねえ」って。松五郎は最後までそういう人だったのだ。祇園太鼓の躍動!肉付きのいい背中と弾ける汗がかっこいい。
なかなか印象深い場面が多い。警察官に喧嘩売ったり、劇場でニンニク鍋したり。運動会?で張り切って走るところも可愛い。白眉はやはりクライマックスの祇園太鼓。松五郎からよし子への想いは、最下層から上流階級、ロミオとジュリエット的な身分差愛(といっても片思い)でもある。
神輿の上で聴衆の耳目を一手に集める松五郎。どんどん離れていく敏雄との距離が、心理的/物理的に表現されている。白髪混じりになった彼が輝くのを見て、もうそんな若くないのに、って思ったり。最高に泥くさい。