「ファーストラヴ」感想

ファーストラヴ、みた。なぜ環菜は父を殺害したのか？真実に迫るにつれて暴かれていく、男たちの女性を消費する「目」。芳根京子がとにかくすごかった。体しか見ない男への恐怖や怒り、だれも声に耳を傾けてくれないという諦め。彼女の苦しみを思うと胃酸が口元までせり上がってきそうだった。良作。

基本的に映画を見るときは予告編もポスターも見てない、事前情報ほぼなしなので、見終わってみてなるほどこれがやりたかったのね、と。途中、北川景子の過去パートでガタッとリズムを崩すので、そこで興味が続かなくなる人はいるだろう。完全に構成が悪い。終盤は芳根京子の熱演でなんとかもってる。

環菜＝芳根京子は何度も涙を流すわけだが、毎回背景にある感情がちがう。だから毎回演技も変わる。このグラデーションがすさまじい。さらに証言台の場面。彼女は涙のながれるスピードすらコントロールしてるんじゃないかと。見ているこちらが体力消耗してしまう。どっしり腹にパンチを喰らいました。

北川景子のパフォーマンスも熱がこもっていて、俺がこれまで見た中だとおそらくいちばんなのではないか、と思った。しかし中村倫也や窪塚洋介、芳根京子といった芸達者なひとに囲まれていると、どうしても…という印象は受けた。迦葉＝中村倫也のキャラは最後の処理が納得いかないがアレでいいのか？