映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「希望のかなた」感想

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希望のかなた、みた。面白かった。初めてのアキ・カウリスマキ作品。シリア難民のカーリドと、レストラン経営をはじめたヴィクストロム。ヘイト渦巻く世の中であっても、みんなで助けあう、いい意味でテキトーに生きる。ドライな笑いのなかに、ただ優しいだけではないエグみを含む塩梅よ。傑作!

ヴィクストロムが面白いんだよなあ。もう失うものはないと言わんばかりにカジノに全賭けし、明らかにボロくてみすぼらしい店を買い取り、難民のカーリドを拾う。偽造IDの作成や「密輸」の依頼のように危ない橋もほいほい渡る。見てるこっちはもうずっと突っ込んでしまったよ。

ヴィクストロムがクラシックカーを乗り回したり、カーリドの向かう警察署でタイプライターを使っていたり、シリア難民というアクチュアルな問題を扱いながら時代性を抽象化するようなモチーフが登場し、むしろ古典的な匂いすらただよう。最近はカメラ動かすのが流行りだが、フィックス多めなのも良い。

ヴィクストロムのテキトーさに感動を覚えたのが、そこに貸し借りの重さがないからである。困ってる人がいたら手を差し伸べる。ただそれだけのこと。この映画に出てくる人びとは、だれも見返りを求めない。騙されても気にしない。その不思議な世界観に安らぎを覚えるのだ。もっと雑に生きていい。

ヴィクストロムのテキトーさに感動を覚えたのが、そこに貸し借りの重さがないからである。困ってる人がいたら手を差し伸べる。ただそれだけのこと。この映画に出てくる人びとは、だれも見返りを求めない。騙されても気にしない。その不思議な世界観に安らぎを覚えるのだ。もっと雑に生きていい。