「男はつらいよ 翔んでる寅次郎」感想
男はつらいよ 翔んでる寅次郎、みた。結婚式がイヤで抜け出してしまったひとみと、彼女を追いかける婚約者の邦夫。俺も旅先で寅さんにばったり会ってみたい。そんで一緒に安宿で酒飲み交わしながら人生の悩みを聞いてほしい。今回は寅さんがサポーターに徹したり、旅に出るのを思い留まったり、異色。
ひとみが結婚式からドレスのまま逃げ出してしまうのは、言われるがままの「幸せ」に従う未来に先はないのだと直感したから。それでも同じ相手と最後は結ばれる。自分でこれが「幸せ」なのだと気づいて選んだんですね。時代を感じる悩みだが、「普通とは?」という問いかけは錆びない。
「これから素晴らしい人生が広がっていくなんて、そんな幸せな気分になんかなれないのよ」と。桃井かおりはこの頃からあの喋り方だが、妙に色っぽくて、なんだか良かった。とらやに押しかけるもあえなくフラれた布施明に、追いかけて「失恋なら悔しい」と語りかける寅さんが優しい。