「男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく」感想
男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく、みた。寅さん今度は浅草レヴューの踊り子に恋をする。「なりたい大人になれなかった」大人たちが語り合う中盤がすごく良かったなあ。全然夢とは違う方向に進んでしまったけど、それなりに今は幸せだって。「俺だったら踊りは辞めさせなかったよ」が切ない。良作!
浅草にああいうステージがあったんだ。今回は東京パートが長いが、当時の風俗が知れて面白い。木の実ナナは絶妙にセクシーだけど、寅さんが横に並ぶとそのアダルトな雰囲気を消してしまうからすごい。あいかわらず寅さんが振られる様はカッコいい。懲りない男だが、たくさん傷ついた分だけ優しいのだ。
武田鉄矢がなかなかの気持ち悪さ。寅さんはああいうダメな若者に支持される。って、まあ俺もその中に入るのかもしれない。寅さんが振られるかどうかでウキウキのタコ社長。さすがにとらやのみんなにも怒られる。この映画見て思ったが、とらやの間取り、空間設計って最高に計算し尽くされてるんだよな。
今回のクライマックス、また旅に出る寅さんをみんなで見送る場面が素晴らしいのだけど、もしかしてとらやって寅さんを見送るため(あるいはその場面を完璧に撮るため)にアジャストされた空間なのではないかと思った。とらやはどこに座ってても、寅さんの背中を見てやることができるのですよ。