映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「パッドマン 5億人の女性を救った男」感想

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パッドマン 5億人の女性を救った男、みた。これが2001年にあった実話とは…。いつの時代も世界を変えるのは「異分子」なのだろう。どんなに変人扱いされても信念を貫いた話と言うと聞こえはいいけど。インド社会の恥部や醜いところも隠さず描いている。ちょっぴりほろ苦のロマンスもよい味付け。

「パッドマン」という少々間の抜けた響きの愛称がラクシュミらしい。周囲の無理解や偏見との戦いは、見ていて辛くなる。そんなはずないだろって思うけど、たぶん今でも残っているんでしょうねえ。まだ二十年しか経ってないし。てか、あの故郷の村の手のひら返しはひどい。俺だったら帰りたくない笑

ひとりで猪突猛進していく様は「ソーシャル・ネットワーク」のような偉人伝のフォーマットに則っている。自作のナプキン着けて血塗れになりながらチャリを漕ぐのは、どれだけ理解があっても奇行に見えると思うけど…。そこらへんをコミカルに描き、あまり深刻に見せすぎないバランス感覚が好きかも。

ひとりでいろいろ頑張ってもうダメかも…というタイミングで現れる救い神。ソーナム・カプールの圧倒的な美貌を見た瞬間、俺は安心した。ああ、ラクシュミの挑戦はこれでもう大丈夫。彼女が成功に導いてくれるに違いないと。よき理解者であり、だからこそ恋愛感情は切り離す。空港の別れ、切なかった。

クライマックスの国連での力の入った演説は、彼の頑張りを知っているからこそグッときてしまいました。全体的に「プロジェクトX」のウォシュレット開発秘話を思い出す内容だった。みんなが直面する問題なのに、なぜかタブー扱いされて、真剣に取り合おうとしない。おもしろい映画でした。