「弱虫ペダル」感想
弱虫ペダル、面白かった。全編のうち7割がロードレース!見ているこっちの太ももがパンパンになってしまう。小野寺たちの成長と関係性の変化を、競い、競われ、抜き、抜かれ…の駆け引きでほぼ描き切ってしまう、なかなか特殊な構成。だけど素直に熱い!帰り道はいつもより速くチャリを漕ぎました。
主役はキンプリの子だとエンドロールを見て初めて知る。花江夏樹みたいな声の出し方はあんまり好きではないのだけど、オーラを隠すのがすごく上手い。「ブラック校則」のセクゾ佐藤勝利に引けを取らないキラキラ感消しスキル。助演の伊藤健太郎の体格、特に首の太さは説得力がある。
鳴子役の坂東龍汰、何処かで見た顔だと思ったら「#ハンド全力」のダンサーの子だった。県大会ではシビアな役割を背負わされるが、ハスに構えずに〈全力〉で取り組む様が爽やか。竜星涼、柳俊太郎など先輩の熱いまなざしも燃える。俺は巻島先輩のことをもっと知りたい。映画だと省かれてるっぽいな〜。
ハシカンは安定。てっきり彼女もチャリを漕ぐのかと思ったが、ひたすら側で応援しているだけだった。徐々に物語から退いてしまい、最終的にモブの一人になってしまうのが残念。もっと使い方あったろ。皆川猿時は「いだてん」を連想せざるを得ないが、コミカルさと程よい池井戸潤作品感が良い。
ロードレースは映画の肝なのでさすがに気合が入っている。スクリーンのど真ん中に抜かれた小野寺の顔、そしてその後ろをさーっと流れていく背景にスピード線が見えてくるのである。マンガをそのまま実写に落とし込む試み、良い!ほとんどチャリの描写だったが、不思議と飽きはこなかった。続編希望。