「仁義なき戦い 代理戦争」感想
仁義なき戦い 代理戦争、大傑作!村岡組の跡目争いと神戸の権力闘争が複雑に絡み合い…。ヤクザの足の引っ張り合い。山守や打本のタヌキおやじっぷり、そして広能のどっしり構えた存在感。誰がボスになるか、サル山の争いは虚しい。最後に犠牲になるのは若者だ。握りしめた遺骨のビジュアルが強烈。
こういうゴリゴリのパワーゲームがシンプルに好きなんですよね。「半沢直樹」もそう。盃交わした後に破門されるか、人事で左遷されるかの違い。仁義がどうこういうのは一緒。広能、引っ掻き回すわりに勝ててない気がするけど。でっぷり太ったオヤジたちの中に浅黒い菅原文太の顔が映える。
多用されるヤクザ用語と広島弁、それからねじくれた関係性のせいでなかなか話に追いつくのが大変。しかし、この詰め込まれた情報量がちょうどいい。突き詰めればオヤジたちの内輪揉めでしかないのだが。それでも生きるか死ぬかの駆け引きをする人間を見るのは楽しい。誰が死ぬのか分からないから。