映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「前田建設ファンタジー営業部」感想

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前田建設ファンタジー営業部、オンライン特別上映会にて。前田建設広報部がマジンガーZ格納庫の実現に挑む!空想の見積もり作成に後ろ向きだった社員たちが現場の技術者の熱意と矜持を肌身で知り、やがてプロとして全力で企画にのめり込んでいく。楽しく笑えてしかも熱い!最高に面白かった。

「横移動が…!」でみんな頭抱える場面で爆笑。しかしそこから驚異の粘りを見せる。バカなことに本気で取り組むって意外と難しい。日頃から何事も全力じゃないと、こういう時に手を抜いたり変な恥じらいで中途半端になる。そうなるとただサムいだけ。でも、彼らは違う。絶対に地球を救うぞ!と燃える笑

〈現場監督〉英勉の演出は好き嫌いが分かれるだろう。あいかわらずコッテリ。しかし本作はこのテンションがハマってる。高杉真宙の巻き込まれ体質感も可愛いし、おぎはやぎ小木のコント的演技がこのバカバカしくも熱い物語を引っ張る。そうそう、全体的にショートコントの積み重ねみたいな構成だった。

現場の技術者が忙しい中でもこの荒唐無稽なプロジェクトに関わってくれる。文化祭的ノリの良さもあるけど、しかしこれはやはりプロの仕事なのである。主人公・ドイは最初イヤイヤだったけどフワさんのこだわりに圧され、次第に熱がこもってくる。本気でぶつかれば本気の答えを返してくれる。

異なる立場の人どうしでどうやって物事を進めていくのか?という観点でも非常に〈お仕事映画〉的であり、自分の実体験と照らし合わせても「なるほどなあ」と思うところが節々にあった。エンドロールも「バクマン。」的な工夫があり楽しい。上映時間の最初から最後まで中身が詰まっている。

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なによりエモト役の岸井ゆきの!序盤のテンション低めな冷たい目もいいけど、ヤマダの知見と情熱に心惹かれ、やがて自分も掘削の面白さにのめり込んでいく、その姿もまた可愛い。基本的にこの映画に出てくる人はみんな素直でいいよね。とても愛せる映画でした。いいリフレッシュになった。