「トリコロール／青の愛」感想

トリコロール／青の愛、みた。作曲家の夫を事故で失ったジュリーは彼に愛人がいたことを知り…。フランス国旗の青は自由を意味するらしい。自殺を試みても、プールで孤独に浸っても追いかけてくる過去。忘れたいのに忘れられない。夫への愛から自由になりたい…。過去とはなかなか厄介なものですねえ。

青を基調とした映像は夢の中をさまよっているようだ。逃げ場が見つからない彼女の心の状態を表している。放っておいても頭の中に音楽が流れてしまう。逃げたくても逃げられないなら向き合うしかないのかもしれない。ジュリエット・ビノシュ演じるジュリーはあまり気持ちを表情に出さない。それがいい。

結局タイトルに「青」とついている通り、自由とはなんだろう？って話なのだと思う。愛からの自由、過去からの自由、家族からの自由。フランスは革命で自由を手に入れた国。俺も詳しくはないけど自由の捉え方が日本とはまた少しちがうんだろうなあとは思う。

誰にでもしがらみはある。自分の心の中に自由を作るしかない。ジュリーの場合、それは夫の遺した未完の曲と向き合い、心の中のぜんぶを吐き出すことだったのだろう。