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さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「リトル・フォレスト 夏/秋」感想:おしゃれでリッチな田舎暮らしの理想郷

こんにちは。じゅぺです。

今回は「リトル・フォレスト 夏/秋」について。

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「リトル・フォレスト 夏/秋」は、東北のとある田舎町・小森に暮らすいち子の日常を描く作品です。春夏秋冬でそれぞれ単独の映画になっています。劇場公開時には「夏/秋」と「冬/春」にまとめて上映されたそうなので、レビューも同様の形式としました。

主演は橋本愛です。ストーリーにはあまり起伏がなく、淡々といちこの自給自足生活がスケッチされます。自然と共に暮らす、というよりは、自然に合わせて暮らす、主人公・いち子の気取らない毎日の過ごし方に憧れますね。ストーブで焼いたパンとか、自家製ウスターソースとか、川魚の塩焼きとか、とにかくご飯が美味しそう。映像もさることながら、音がいいんですよね。魚を火に炙ったときのぱちぱちっと脂や皮が弾ける音なんて、思わずつばを飲んでしまいました。ほんとうに「美味しい」映画です。

ある意味でこの映画における田舎暮らしは理想化されているようにも思います。雑誌で見かける「おしゃれでリッチな自然派生活」といったところ。いち子の住む村は、四季を楽しむ理想郷であり、都会人の願望をパッケージした空想の世界であると言えるかもしれません。僕自身こういう農村に住んだことはないので、机上の空論といえばそうなのですが、少なくとも、この映画は田舎の綺麗な部分しか見せてくれていないのはたしかです。主眼が田舎生活のリアルを描くことにないだろうし、突っ込むだけ野暮な気はします。が、人によっては気になるかもしれませんね。

正直、今回の映画はあまりレビューできる箇所がありません。少なくとも僕の文章力と記憶力(このブログの記事は大抵見て1ヶ月ぐらい寝かせてから書いてます)では、書ける内容がないです笑 田舎暮らしの橋本愛の良質なPVといったところでしょうか。とにかく彼女の自然に向き合うときの所作や表情、その動きの変化を見て、楽しんでもらわないことには、この映画の良さってわからないのではないかと思います。それぐらい「ああ、橋本愛っていいな」としんみり思わされる映画です。