「冬冬の夏休み」感想
冬冬の夏休み、みた。冬冬が祖父の田舎で夏休みを過ごす様を描く。イケてるオモチャ持ってれば尊敬される、妹には少し意地悪したくなる、意味はよくわからなくてもオトナのいざこざは敏感に感じ取る。侯孝賢はどうやってこの年頃の感性をみずみずしく切り取ったのだろうかと…。懐かしさ溢れる傑作!
「となりのトトロ」を思い出す。中学入学前ということはこれから少しずつ「大人」になっていく時期。とはいえまだまだ「幼児」の面影すら残っている。冬冬はあまり表情に強く気持ちを出す方ではないようだが、小学生っていつもこういう感じでボケーっとしてる気もする。昔の自分を見ているようだった。
台湾でも卒業式は「仰げば尊し」なのか!と驚き。占領していた頃の名残なのは少々複雑だが。寒子のエピソードもいい。ああいう不思議な交流って、夏休みっぽいよね。最後は「赤とんぼ」が流れる。どこまでも遠くへ消えていく車の影を見て、この夏はもう戻ってこないのだと悟る。切なくも美しいラスト。