「ラジオ・コバニ」感想
ラジオ・コバニ、みた。ISとの戦闘により荒廃したシリアのクルド人街・コバニ。ふたりの大学生がこの地でラジオ局を開設し、街の再建を見つめていく様を追うドキュメンタリー。ニュースで知ったつもりでも、改めて瓦礫の山になった街の様子を見るとことばを失う。しかし、希望の灯は消えていない。
廃墟になったビルの解体作業。コンクリートの破片の山から埋もれた遺体を引きずり出す。どれも、とてもこれが人だったとは思えないほどボロボロで。布切れみたいに薄い。軽々しく投げ捨てられる人の手足、誰かの顔だったもの。それを子供たちが鼻をつまみながら見ている。虚しくなってしまった。
復興×ラジオのテーマ設定は「陸前高田災害FM」を追った小森はるか監督のドキュメンタリー「空に聞く」を思い出す。東日本大震災の被災地といえば「女川さいがいFM」も有名だ。復興と災害の関係は興味がある。破壊された日常とコミュニティをつなぎとめる手段としてのラジオ。その底力を知る。