幸福路のチー、大傑作!祖母の死をきっかけに米国から故郷したチーの半生と激動の台湾現代史を描く。だれもが自信を持って人生の選択ができるわけじゃない。不安と航海の迷路をさまよう中でフラッシュバックする子どもの頃の思い出とおばあちゃんの教え。たくさんの愛を受け取りました。ほっこり。
「幸福路のチー」はアイデンティティの物語でもある。チーに流れる血の四分の一は少数民族のそれであるし、地縁血縁のしがらみのつよい地元から逃れるようにアメリカへ移住している。教室での北京語の使用にも現れるように、台湾と大陸の対立の話でもある。常に感じる疎外感。