「左利きのエレン」感想
左利きのエレン、全話完走した。何かになりたいともがく〈凡人〉デザイナーと、つねに彼を呪い続ける存在としての〈天才〉エレン。何者かになるんだとのたうち回る朝倉の痛々しさよ。ところどころマンガから実写へのフォーマットにズレは感じるが、朝倉が最後に見た景色には感動してしまいましたよ。
はじめて知ったんだけど、石崎ひゅーいっていい役者ですねえ。神谷さんの実際にいそうな感じが素晴らしい。俺の中のデザイナーのイメージはアレです。エレンと朝倉の過去と現在が交錯する前半よりも、朝倉の広告代理店苦労話に軸足移る中盤以降の方が面白かったり。最後むしろエレンが展開の足かせに。
つまり俺は天才よりも凡人の話を見たい、ということなのかもしれない。柳さんが人の上に立っちゃいけないタイプの才人で、でも実はサラリーマンであることが限界であることに気づいている感じのバランス感覚がとてもリアルだった、と思う。