映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「半沢直樹(シーズン2)」感想

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半沢直樹、面白かった。ホントに1クールのドラマかってぐらい詰め込んでるし濃い。もはやスパイラル編の記憶が薄れかけている。柄本明の妖怪じみたオーラが凄まじかったし、最後の大和田常務=香川照之の半沢への期待、尊敬、寂しさ、憎たらしさなど複雑な感情入り混じる笑顔が最高でした。

非常に大仰で笑いを誘う演技ではあるのだが、かなりの技術を持った役者たちが集っているので、ぎりぎりコントに行く手間で踏みとどまり、いまのニッポン社会のヤダ味を凝縮したカリカチュアになっているわけですね。「半沢直樹」のリアリティラインの中でしっかり血の通った人間としてそこに居る。

ロケーションに拘っていてただただ背景がリッチなのも良かったですね。俺的にいちばんお気に入りは副頭取と伊佐山部長が悪巧みする場面の東京タワーと増上寺。ここである必要性は皆無なんだけど、絵面としてカッコ良いので大正解。紀本常務の潜伏先のホテルも無駄に良い夜景が映ってた。こういうの大事。

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最終話の半沢の演説はどストレートな政治批判でもあった。「記憶にない」で逃げ切ろうとする箕部の狡猾な様に、安倍晋三菅義偉の顔がチラついたのは自分だけではないと思う。なにより大人たちがきちんと責任を取る、悪事がうやむやにされないのがいちばんのファンタジーになる日本の現実が悲しい。