「すくってごらん」感想
すくってごらん、みた。田舎に左遷されたエリート銀行員が、金魚を通して立ち直っていく和製ミュージカル。好きになれそうだったのに、全くハマらなかった悔しい作品。尾上松也のキャラが単にひとりで盛り上がってる童貞にしか見えず…。ちょっと演出と脚本がなあ。最後までちぐはぐでした。
石田ニコルがいちばん魅力的でしたねえ。メチャクチャ妖艶というか色っぽくて。歌もうまくてこれから演技方面でもたくさん見たいなと思った。百田夏菜子は天真爛漫のイメージが強く、男を惑わすミステリアスな女性の役はいまいちピンと来ず。少なくとも彼女をそう見せるだけの演出になってない。
尾上松也のキャラは最初から最後まで何したいのかわからない。てか、そもそも金魚すくいが扱われないのが謎だ。奈良の街並みも、行ってみたいとは思わなかった。非常に箱庭的な撮り方をしていて、どこになにがあるのか、地形、住人はどうなのか。予算のせいかただの背景にしかなってない。
ミュージカルパートは「ラ・ラ・ランド」のマジックアワーをそのまんま意識した丘の上の夜景のパートがあったり、銀行内での判子連打でリズム奏でる序盤は「君も出世ができる」を連想させたり。悪くないけど、グッとくるほどではなく。まあ、ここは完全に好みですねえ。