「アップグレード」感想
アップグレード、みた。謎の組織に妻を殺され、自身も半身不随になった男が、AIチップ「STEM」により超人的な力を手に入れる。ちょうどいい塩梅のSF。テクノロジーもいまあるモノの二歩先ぐらい。ランプじゃなくて屋根が光るパトカーなんて近いうちに実現しそう。詠春拳みたいな超人アクションも良い。
グレイを演じたローガン・マーシャル=グリーンの表情の読めなさがいい。いくら怪しいとはいえ刑事はどうしてグレイばかり追いかけるんだ?犯人探しは?と思わなくもなかったが、シンプルなストーリーも好きだ。わりとベタだし、そこしか落とし所ないだろうなと思いつつ。
STEMに主導権が移ると、画面の真ん中にグレイが固定され、どれだけカメラが激しく動いてもブレなくなる演出が面白い。ゲームのプレイ画面っぽいと思った。計算し尽くされたムダのない「数学的」なアクションのモチーフが「イップマン」でおなじみの詠春拳なのも興味深い。俺には木人椿が見えた。