「宮城発地域ドラマ ペペロンチーノ」感想
宮城発地域ドラマ「ペペロンチーノ」、すばらしかった。ことしの単発ドラマベスト!震災で店を流された小野寺が、10年の節目に「今日まで連れてきてくれた人たち」とパーティーを開く。「被災者」の肩書き、震災復興、その矢先の新型コロナの蔓延…。数々の偶然の上にここに立っているということ。
TVerに見逃し配信あるのでぜひ(4/24まで)。草彅剛はその佇まいだけで物語を語れてしまう人だけど、繊細な感情の表現もすごくいい。とあるwebライターとのやり取り、それからクライマックスの切なくも温かい表情がすばらしい。吉田羊の一歩引いた演技も最高。
小森はるか監督が陸前高田の住人を「息の跡」や「空に聞く」で取材し、また、島田隆一監督が福島県双葉郡でのくらしを「春を告げる町」で見つめたように、べつに東北の人たちは「被災者」として生きているわけではない。そこにはただあの日から地続きの生活があるのだ。店に集まった仲間の温かさよ…。